以前にお子さんが不登校になったとき、どう学校に戻っていく流れを作るか、について書かせていただきました(不登校からの学校復帰①)。
今回は、不登校の状態から学校復帰につなげるコツについてさらに詳しく考えてみましょう。

情報収集→適したサポートを選ぶ

今は不登校生のサポート資源は学校内・外どちらにも多くあります。担任・養護(保健室)の先生・スクールカウンセラーにどのような手段があるか、他の不登校生はどのように学校とつながっているのかを聞いてみましょう。

学校とはつながりたくないというお子さんの場合は、その点にはこだわらず、民間相談機関(こちらのカウンセリングルームもその一つです)でメンタル面のケアを受けながら、カウンセラーと今後についてじっくり考えていくのもよいでしょう。

完全復帰を焦らない

お子さんの「明日は朝から行くよ」と言う言葉に期待したり、「来月からは毎日行こうね」といった約束をしたりして、でも「約束が守られなかった」と言って親子げんかになる、という繰り返しをよく耳にします。

これではお互いにエネルギーを消耗してしまいますし、親子関係を悪化させることにもなるので、良い循環ではありません。

‘毎日朝から起きて学校に行って一日夕方まで学校で過ごして帰ってくる’というのは自然にできているお子さんにとっては日常ですが、いったん不登校になったお子さんにとっては非常にエネルギーのいることであって、すぐにそれを目指すのは現実的でないことも多いのです。

現実に合った課題設定をすること、また、お子さんの状況やお気持ちによっては‘あえてすぐの復帰を目指さない’という決断をすることが結果として良いこともあります。

このような見立ては親子間の話し合いだけではスムーズにいかないこともありますので、カウンセリングを活用していただくのも良いかと思います。お悩みの方は、「思春期・不登校に関する相談までお問い合わせください。

子どもが幸せになるための、別居・離婚・面会交流のすべて

CAFIC が全面的に協力した『子どもが幸せになるための、別居・離婚・面会交流のすべて』(自由国民社) が、5月2日に発売されます。

今の日本では、3組に1組が離婚しますから、別居や離婚はごく身近なものです。離婚家庭はけっして珍しくないし、両親の離婚は特別なことではありません。

離婚家庭の子どもは “特別な事情を抱えた子ども”でも、“みんなと違うかわいそうな子ども”でもないのです。

別居・離婚は子どもに衝撃となる

とはいえ、両親の別居や離婚は子どもになんの影響も無いわけではありません。
別れて暮らすことになった親 (別居親) から深刻な暴力があったとか、アルコール依存などの大きな問題を抱えた親だったなどという場合を除いて、両親の別居・離婚は子どもに衝撃を与えます。

子どもには「自分は両親から愛され、望まれて生まれてきた」 「両親はいつでも自分に関心を持ってくれている」 という確信が必要です。 両親の離婚や別居は、この確信を揺るがしてしまう可能性があるのです。

「片親不在」が与える影響

その大きな要因として考えられるのは、「片親(別居親)の不在」です。

日本は、世界でも珍しい単独親権制度の国です。そのため、離婚後はどちらか一方が親権者となります。親権者でなくなった方の親は、まったく子どもと会えなくなったり、会えたとしても「月1回数時間のみ」になってしまうこともあります。

そんな関わりでは、子どもが「両方の親がずっと変わらず自分を愛してくれている」と実感できなくなってしまうのも、当たり前でしょう。

子どもの権利条約を踏まえて

そこで本書は、 心理学的な見地や、国内外の離婚・別居にまつわる子どもに関する研究。何より、子どもの全人的な発達のためにつくられた世界的な約束事である子どもの権利条約を踏まえ、

  1. 子どもがいかに両親からの愛を必要としているか
  2. 離婚・別居をしたからこそよけいに、 両方の親がきちんと子どもと関わることが不可欠である根拠
  3. そのために、夫婦の関係は終わったとしても父親・母親として忘れないでほしい努力や工夫

について、記しました。

どうかみなさんの離婚・別居という選択が、子どもに幸せな人生をもたらしますように。

以前に不登校のお子さんへの接し方について書かせていただきました(長期不登校の対応法)。

今回は、不登校の状態からどう学校に戻っていったらよいのか、復帰の仕方について考えていきます。

復帰に適したタイミング

もっとも復帰しやすいのは“進学”のタイミング、つまり小学校から中学校、あるいは中学から高校に上がる時です。
学校が変わるといったん環境がリセットされますので、それを期に復帰を目指すと比較的スムーズです。

その次にお勧めなのが、学年の変わり目です。
年度が変わる際も、クラス替えや担任の先生が変わったり、といった変化の時期ですので、「教室に行ってみようかな」と気持ちも新たになりやすい、と言えます。

学校復帰につなげるコツ

  1. お子さんがどのような状況であれば登校したいと思っているのか、について話し合っておく
  2. 学校に関する情報をある程度把握しておく、それを本人と共有する
  3. 完全復帰を焦らない

①の話し合い自体が難しい場合は、まずその点から改善を図る必要があります。お子さんがそもそもどう考えているのかわからない状態では、保護者の方がどう動いてあげるのが良いのかが定まりません。

親子間のコミュニケーションがスムーズにいかない場合は、カウンセリングを活用していただくことをお勧めします。
不登校の相談というと、「本人を相談室に行かせる」ことをイメージされる方も多いかと思いますが、実際には保護者様のみでお越しいただくだけでも、十分変化を起こしていくことが可能です。

お子様の学校のスクールカウンセラーが信頼できそうな方であれば、それをうまく活用していただくのも良いですし、こちらのような民間の心理相談機関でもサポートをおこなっております。

詳しくは「思春期・不登校に関する相談」のページをご覧くださいませ。

「私は人格障害なのではないか」
「パートナーは発達障害なのではないか」
「同僚はうつになったのではないか」
「これは〇〇障害の症状なのか」

・・・最近、そんな疑問の答えが欲しくて、カウンセリングに来られる方が増えたような気がします。

情報が簡単に集められる昨今

インターネットで案単に情報が集められる昨今。精神疾患や人格障害についても、専門家から当事者(を名乗る人)まで、動画やスライドなども駆使して、懇切丁寧に説明しているサイトがたくさんあります。
なかにはフローチャートやチェックリストで自己診断ができるようなものもあります。

「××なことがある」と尋ねられれば、だれしもある程度思い当たることはあるもの。そもそも、自分のある傾向や不便さに悩んで検索しているので、自分と重なることが目につきやすくなります。

ネット情報の危うさ

でも、こうした情報は、たとえばある精神疾患の症状のほんの一部を切り取っているものだったり、「一面的な見方をすれば」というものだったり、「こういうふうにも考えられる」というひとつの考え方に過ぎなかったりします。

また、そのサイトを読んでいる人の受け取り方にも大きく左右されます。

たとえば「うつ」という言葉一つとっても、それが抑うつ状態を指しているのか、いわゆる大うつ病のことなのかもよくわからない記述があったりします。
抑うつ状態は多くの精神疾患や人格障害に共通の症状でもあります。

症状は「記憶」の産物だった

かつてのクライアントさんに、周囲から統合失調症を疑われている方がいました。「亡くなったはずの親が自分をいつも見ている」とか「人混みにいるといろいろな声が聞こえてくる」などという、幻聴や幻覚ともとれる訴えから、そのように判断されていました。

しかし、その方の生育歴を丁寧に聞き、幻聴の内容や、どんなときにそれが生じるかなどを聴き取っていくと、親からの激しい虐待に由来する「記憶」によるものであることが明らかになっていきました。

過酷な子ども時代を生き延びるために、常に親の顔色をうかがい、あちこちアンテナを張り巡らしてひとつの物音も聞き洩らさないようにしてきたことが原因でした。

カウンセリング機関としての使命

心の問題や発達障害が広く知られ、だれでも情報を得られるようになったことは歓迎すべきことです。でも、一方で簡単にカテゴライズできるようになって、「××があるから〇〇病」と、周囲も本人も、安易にラベリングしてしまう危険性もあります。

そうなると逆に、本当に必要なケアやサポートが受けにくくなってしまうことも起こります。
そんなことにならないため、カウンセリングは身近で利用しやすいものでないといけません。ていねいにお話をうかがいながらの情報提供。それもまたカウンセリング機関としての使命なのだと感じる、今日この頃です。

長期不登校の対応法

以前に不登校初期・中期の関わり方について書かせていただきました。
夏休み明け不登校の関わり方
不登校中期の対応法

今回は、比較的長期の不登校(目安として半年以上)の場合の対応について考えていきたいと思います。

不登校が日常になったときの過ごし方

学校に行っていない状態が数ヶ月以上続くと、ご本人もご家族にとってもそれが‘日常’になってきます。
そのような状況であっても、学校に行くように毎朝声かけをしたほうがいいかどうか、とのご質問をよくいただきます。

親御さんが声をかけて「じゃあ、行こうかな」ということがまずなさそうな印象であれば、登校刺激を続ける必要はありません。
常に学校に行く・行かないばかりを気にしすぎてしまうと、親子ともども疲れてしまったり、親子関係がギクシャクしてしまったりして、あまり良い結果とならないためです。

不登校生も日常を楽しんでいい

「学校にも行っていないのに遊びに行くなんて」という考え方もありますが、お子さんが毎日家にただ籠もっていても、精神衛生上あまり良くはありません。
学校に行っていなくても、ふつうに好きなことをして、罪悪感を持たずに過ごせたほうが、心のエネルギーが充電され、それが状況の改善につながっていきます。

ご家庭によってルールはあっていいと思います(たとえば「平日の日中はゲームをやらない」等)。
ですが、たとえば「毎日学校の授業と同じ時間の勉強をする」といった課題設定は多くのお子さんにとってハードルが高すぎてしまいますので、親子間で話し合って‘ちょっとがんばればできそう'というくらいのルールや課題を決めていけるとちょうどよいかと思います。

不登校から次のステップへ

今回は、不登校中の過ごし方を中心に考えてみました。不登校が長引いてきたときの復帰へのつなげ方については、また回を改めて書きたいと思います。

お子様とのコミュニケーションが難しい・お子様に情緒面の不安定さが見られる、あるいは学校復帰への道筋が見えない、といった場合は、カウンセラーにご相談いただきながら対応を工夫されると良いかと思います。お気軽にお問い合わせくださいませ。

「思春期・不登校に関する相談」はこちらのサイトをご覧ください。

「顔パンツ」という言葉を知ったとき、衝撃とともに妙な納得感に襲われました。

新型コロナウイルスの感染対策だったはずのマスクですが、常態化し、すでに「マスクを外したくない」、「マスクを外すのは、人前で下着を脱ぐのと同じ」と考える人が増えているというのです。

乳幼児の発達も機具される

オミクロン株が猛威を振るった22年夏。日本は4週連続で世界最多の新規感染者数を記録し、10代以下にも感染が拡大しました。

乳幼児でもマスク着用が当たり前になりました。感染を心配するのと同じくらい、マスクが子どもの発達に与える影響を危惧する声もあります。視覚野や聴覚野は就学前にかけて発達し、他者の表情や口元を見て真似ながら感情や共感能力、言葉などを修得します。濃密な身体接触も脳の発達には欠かせません。

マスクへの精神的な依存

そして心配されたのが、マスクへの精神的な依存です。冒頭でも書いたように、すでに「顔パンツ」とまで呼ばれるマスク。10代ではそのマスクを外すことへの抵抗が大きくなっています。

調査会社・日本インフォメーションによると、「コロナ収束後もマスクを使用するか」の質問に対し、10代は男女とも約5割が「いつも必ず使用」か「できるだけ使用」と回答(『東京新聞』22年5月10日)。その理由は「かわいい、きれい、かっこよく見える」が最多。これはもう。感染対策のためのアイテムではありません。

マスクは“諸刃の剣”

もともと日本人は他者の目を気にしやすく、社会不安障害になりやすいとも言われています。最も発症しやすいのは10代半ば。容貌や本心を隠せるマスクは、他者の目から自分を守ることができる一方、生き生きとした“本当の自分”を覆ってしまう諸刃の剣となりかねません。

“本当の自分”を隠したままでは、だれかときちんとつながることは難しくなります。

どうかコロナが収束しますように

それでなくとも、小中高生の自殺が増加し、小学5年〜中学3年の1〜2割にうつ症状が見られるのです(『日経新聞』22年5月6日)。
マスクによって、さらに人との関係性がつくりにくくなるのではないかと心配になります。

どうか来年はマスクを外し、触れ合いながら子どもたちが遊べる環境に戻りますように。コロナが収束しすることを心より願っております。

以前に不登校初期の関わり方について書かせていただきました(夏休み明け不登校の関わり方)。

今回は、その続き、ある程度の期間、登校できない、あるいは教室に入れない状態が継続している(目安として2ヶ月以上)場合の保護者様の対応について考えていきたいと思います。

学校とは遠ざからずにおく

それぞれのお子さんにとって‘可能なこと’が異なるかと思うのですが、たとえば部分登校・別室登校や保健室・相談室登校などできていることがあれば、それだけでも継続していきましょう。

ただし、ご本人にとってそれが非常にストレスになっている場合は、必須というわけではありません。
たとえば、
「何とか腹痛をこらえて1週間に1回は学校に行っているが、いつもそのあと数日は寝込んでしまう」
ですとか
「学校に行く行かないをめぐって毎朝ケンカになり、親子共に疲れ果ててしまった」
などという場合は、登校することにこだわらず、課題の設定を見直していくのがよいでしょう。

ぜひサポート資源の活用を

学校に出向くのが難しい場合は、自治体が運営している適応指導教室(公的なフリースクール・無料)や民間のフリースクールなど、不登校生向けのサポート機関などを利用することをお勧めします。
予約制でスタッフが個別対応をしてくれる教室や、学習サポートのみ、あるいは勉強以外の時間の参加のみで利用OKというところもありますので、ご本人様と相談しながら、まずは見学・体験など行かれてみるとよいかと思います。

そのような場も難しい場合は、個別指導塾や勉強以外の習い事でもよいので、家にこもり過ぎにならないよう、何らかの所属する場や家から外に出る定期的な予定があるとよいでしょう。
それも難しい場合や、家に引きこもりがちになってしまっている場合の対応については、また回を改めて書かせていただきます。

今現在お困りの方は、相談室までお気軽にお問い合わせください。
「思春期・不登校に関する相談」はこちらのページをご覧ください。

発達障害と呼ばれる子どもが増加の一途をたどっていることが様々なデータで示されています。

発達障害者支援法ができた2004年以来、右肩上り。2006年に発達障害の児童数は7000人余りだったのが、2019年には7万人を超えています。とくに目立つのがADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもたちです。10年で6倍になりました。

文部科学省『特別支援教育に関する調査』によると、2020年に障害に応じた特別な指導を通級指導教室などで行う特別支援教育を実施した子どもの数は16万4,693人。前年より3万人近く増加しました。

これにともない子どもへの向精神薬の処方も増えています。
医療経済研究機構が2014年に発表した研究によれば、13歳〜18歳の患者のうちADHD治療薬を処方された割合は、2002年〜2004年と2008年〜2010年を比較すると、2.5倍。抗うつ薬、抗精神病薬はそれぞれ1.4倍となっています。

わかりにくい子どものSOS

一方で、「発達障害の子どもが増加した」というデータに疑問を挟む声もあります。データの取り方や問診中心の診断(判断)等によって、本当に発達障害かどうかわからないのに、診断がついてしまうケースがあることは、常々、指摘されています。

また、発達障害、とくにADHDとされる子どもの“症状”が、虐待などの安心できない家庭環境で育つ子どもの言動ととてもよく似ており、鑑別が難しいということも、よく知られた通りです。

子どもは、自分の育つべき場所が安心・安全でないとき、困ったり、助けてほしいことがあるとき、おとなにSOSを出します。
そのSOSの方法は、必ずしもわかりやすい言葉で発せられるとは限りません。
ときに暴言や暴力、または無言の抵抗のような、おとなには理解しづらい、けれども子どもが今できる精一杯のかたちで表現されることもあります。

その表現方法が、ADHDなど発達障害と呼ばれる子どもたちの症状と似ていることも、少なくありません。

立ち止まって考えてみる

安易な投薬治療は、そうした子どものSOSを押さえ込み、子どもが必死で発しているメッセージを封印してしまうことにもなりかねません。
もしかしたら、子どもの置かれた環境や、学校などの問題があるかもしれないのに、その部分が顧みられることなく、「発達障害だから」と片付けられてしまっているケースがあるかもしれないのです。

「言うことを聞いてくれない」
「どうしてこんなことをするのかわからない」
「なぜほかのこと同じことができないの?」

そんな理解しにくい子どもの言動の裏にあるメッセージ。
「それは何なのか?」と、立ち止まって考えてみてはどうでしょうか。

たとえ発達障害があるとしても、周囲の環境が落ち着いていて、安全で、「自分の味方になってくれるおとながいる」と確信できれば、子どもの“症状(問題行動)”は改善されていきます。

長い夏休みが終わり、学校がスタートしました。
この夏休み明けは、1年でもっとも不登校が増えやすい時期です。(ちなみにもう一つの増えやすい時期は5月のゴールデンウィーク明けです。)

突然お子さんが「学校行きたくない」と言うパターンもあれば、登校前に体調が悪くなって「とりあえずお休みしておこうか」となり、それが続いて不登校になるパターンも多くあります。

不登校初期の関わり方

体調不良の場合は、朝は無理させず、遅刻して行く・つらかったら早退してもいいと伝えておく等、柔軟な対応をしながら、様子を見ていきましょう。

「行きたくない」宣言の場合は、

「学校行きたくないなんてわがままな!大人だって仕事行きたくなくても行っているんだよ」

といった諭し・お説教をついついしたくなってしまいますが、それでお子さんが

「そうか、自分のわがままなのか、じゃあがんばって行こう」

とはならないことがほとんどだと思います。

まずは、なぜ行きたくないのか、丁寧に話を聞いてあげましょう。
大人にとっては「なーんだ、そんなことか」という話であったとしても、まずは否定せず、「そうか、それが嫌なんだね」「それが何とかなれば学校行けそうかな?」と聞いてあげてください。

登校刺激は良いのか悪いのか?

学校に行くよう促すことを登校刺激と言います。
多くの不登校対応の情報では「無理させない」「刺激しすぎない」のがコツと書いてありますが、ほとんどの保護者の方は、「本当に本人の好きにさせておいていいんだろうか」と不安に思われることかと思います。

不登校のごく初期の段階では、「今日一日がんばってみなよ」「行ってみたら大丈夫かもよ?」と励まして登校を促すような対応をするのは一般的なことですし、これが大きな誤りであるとは思いません。
ですが、数週間経っても、1〜2ヶ月経っても状況が変わらない、あるいは悪化していっている(どんどん学校から遠ざかっている・お子さんの調子が悪くなっている)という場合は、対応を変えていく必要があります。

登校刺激はほどほどにしつつ、でも登校をあきらめるわけではない。その対応が難しいところです。
また回を改めて、この先の段階について書きたいと思います。

今現在お困りの方は、相談室までお気軽にお問い合わせください。

「思春期・不登校に関する相談」はこちらのサイトをご覧ください。

あらゆる喪失体験に共通することですが、ペットロスを長引かせる大きな要因は「後悔」です。

もちろん、どんなに精一杯手を尽くしたとしても、やれるだけのことをやったとしても、「これで十分」とはなかなか思えません。
愛する伴侶動物を見送った直後は、みんなそうです。

「もし、こうしていたら」
「万が一、ああしなければ」

そうやって、選ばなかったもうひとつの選択肢や、やらなかったことの方に目が行ってしまい、自分を責め、後悔でいっぱいになります。

治療や看取りに思いを残している

看取りの過程でたくさん思いを残していると、こうした状況から抜け出しにくくなってしまうように感じています。たとえば次のような思いがあったりする場合です。

  • 「もっとこういう検査をして欲しい」とか「違う病気から生じている症状なのではないか」などと思いながらも、それを獣医師に伝えられなかった。
  • 動物病院の対応に疑問を感じながら、呑み込んでしまった。
  • 何よりも看護を優先してあげれば良かったのに、そうしなかった。

「後悔」を減らすために

カウンセリングにつながるは、多くの場合、伴侶動物を見送った後です。

しかし、実際にカウンセリングをさせていただいていて「看取りの過程をご一緒できていたら」と思うケースが多々あります。

言いたいのに呑み込んでいる思いや、獣医師に尋ねたいこと、どんな言葉で伝えたらいいか、日々の生活での優先順位などなどについて、「共に考えることができたら『後悔』を減らすお手伝いができたのでは」と思うのです。

看護しているときこそ

確かに看取りの最中は、物理的にも余裕が無く、だれかに相談するという考えが浮かばないのかもしれません。

でも、愛する我が子を、ひとりで看続けるのはとても孤独な作業です。ひとり「遠くない別れの予感」に怯えることは、言い知れぬほど不安です。

そんな私自身の経験も踏まえ、できれば愛する伴侶動物を看護しているときにこそカウンセリングをご利用していだけたらと、切に願っています。