箱庭療法

「箱庭療法」は、1929年ロンドンの小児科医M.ローエンフェルトが「世界技法(The World Technique)」として始め、ユング心理学を学んだD.カルフが発展させました。

日本では1965年頃導入され、主に多くの児童相談所などで使われてきました。

ことばで自らの気持ちを表現することが難しい子どもや、伝えることに抵抗があったり、無意識に防衛してしまう人に対して使われてきたアート・セラピーの1つです。

日本箱庭療法学会は、50年以上に渡って箱庭についての膨大な学術的な研究を行っており、アカデミックな方法としても知られます。

「箱庭」という表現は日本的でもあり、砂遊びは誰もが子どもの頃に体験しているはずです。

砂に触れ、遊ぶことは心を子どもの頃の状況に連れて行ってくれ(=「退行」と言います)数多くのミニチュアを好きな場所に置くことで、想像力を刺激してくれます。

完成した作品だけでなく、そのプロセスからも作成者自身の「気づき」が生じます。

多種あるアート・セラピーは、いずれも作成者の「気づき」や「自己理解」を促すものであり、熟練したカウンセラーの「守り」と「サポート」の中でこそ「自らを知る」力が生まれます。

箱庭療法はミニチュアや箱など準備するものが多いこと、カウンセラー自身がアート・セラピーの知識が不足していることなどから、体験できる場が限定されます。

インターネットでは完成した箱庭作品を一部見られるようですが、ここでは「先入観」を持たずに取り組んでいただきたいため、完成写真のご紹介はしておりません。

少し謎めいた方法に思われるかもしれませんが、「体験」し、自分のこころの理解を深めてみませんか。それだけの価値のある方法だと思います。

Posted by CAFIC池袋