現在、CAFICで行っている自助グループのなかで、一番新しいにもかかわらず、最も盛況なのが「CLUBみなしご 集まれ天涯孤独!」です。
毎回のように新しい参加者が訪れてくださっています。

みなしご“予備軍”の人も

みなさんインターネット検索で入ってこられるようです。おそらく「みなしご」というキーワードで検索することは少ないと思います。きっと「介護」「離婚」「墓」や「孤独死」等々を見ているうちに、たどり着いているのではないかと推測されます。

参加者は必ずしも「現在、まったく血縁者のいないみなしご」の方だけではありません。

「これからみなしごになることが分かっている」人や、親族やきょうだいという“立場”の人はいても、連絡も取っていない人たち。「いざとなっても頼る人がいない」“予備軍”も多くいます。

あえて共通項を上げるとしたら、「みなしご」と聞くと、思わず「ハッチ」と答えてしまう世代ということでしょうか。

「いかに生きていくのか」という不安

「おひとり様の老後」が話題になる昨今、「おひとりさま信託」を売る金融機関や、身寄りが無いまま亡くなったときに手続きを代行するNPO法人なども少なくありません。

しかし、「CLUBみなしご」に参加して思ったのは、みなさん「必ずしも“老後”や“死後”が気になっているわけでもない」ということです。むしろ、「どうやってひとりで生活していくのか、衰え続ける自分と向き合いながら日々の困難を乗り越えていったらいいのか」ということを気にされているように思います。

ごく簡単に言うなら、「いかに死ぬか」ではなく「いかに生きていくのか」という不安を抱えているということです。

孤独でさみしい大仕事

医療も進み、60代・70代になっても、まだまだ動けるし、やれることもあります。一方で、体は若い頃のような元気さは無くなり、健康問題も含めて、いろいろなトラブルに見舞われやすくなります。

そんなときに、身近に頼れる人がいなければ、何から何までひとりで考え、選び、決めていかなければなりません。お金だってかかります。人間関係があれば頼めることも、お金で解決するしか無くなるからです。

自分のことを気にかけて、心配したり、ねぎらったりしてくれる人はいなくなって、ちょっとした困りごとを話す相手もいなくなります。

「すべてを自分でやらなければならない」・・・それは本当に、孤独でさみしい、大仕事です。

みなしごが緩やかにつながる関係

そんなみなしごたちがどうにかして緩やかにつながる術は無いものか。

施設等に入ったときのように、一方的にケアされ、施設に合わせた生活を送るのではなく、自分らしい生活をできるだけ続けながら、ひとりでは難しいことを「ちょっとだれかに助けてもらう」・・・そんな関係をつくっていくことはできないだろうか。

「CLUBみなしご」に参加しながら、妄想の翼を広げています。