身近ではあるけれど、ときに扱いにくく、厄介なのが‘怒り’の感情です。
自分自身の怒りをどうコントロールするかという‘アンガーマネジメント’という言葉も近年一般的になってきたように感じます。

それも一つの大きなテーマですが、ここでは、自分ではなく、「身近な他者の怒りをどうするか」について考えてみたいと思います。

他者の怒りに接したとき

多くの方が、怒っている人を目の当たりにしたとき、「この人はなぜ怒っているんだろう」と想像をめぐらせたり、相手に直接たずねたりして、原因がわかればその原因の解決・解消に努めることでしょう。

ですが、これがスムーズにいかないときも現実では多々あります。
相手が感情的になるばかりで結局原因がはっきりしないとか、原因がそう簡単には解決しなさそうな事柄である、等々。

そうすると、この感情が衝突する場面は何度も繰り返されることになり、より関係がこじれたり、精神的に疲れ果ててしまったり、とあまり良い展開にはなりません。

身近な関係の中での‘怒り’

‘怒り’には強い力があって、相手の人を傷つけたり疲弊させたりします。ですので、より強い怒りを発した側が、相手の人の主体的に考える力を奪ってしまったり、精神的に弱らせてしまうような状況を引き起こします。

一方の怒りの強さに相手が巻き込まれてしまう状態――これが夫婦・パートナー間だと‘DV’と言われる状態ですし、荒れているお子さんに親御さんが振り回されてしまう状況ですと‘家庭内暴力’と呼ばれます。

対応のコツは‘怒りに巻き込まれない’

怒っている人と「これ以上話しても無理そうだな」と思ったときは、あまり長い時間やり合わないようにすることをお勧めしています。
話し合い自体はもちろん必要なことはあると思いますが、結論が出ないような‘怒りの感情のぶつけ合い’を長時間することにメリットはありません。目安として30分以内、長くても1時間程度で切り上げるほうが良いように思います。

「怒っている人との話し合いを切り上げるだけでも大変」というケースもあるかと思いますので、その点についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。

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