盗んだのはヤモリ
今年8月のことだが、衝撃的なタイトルに思わず目を留めた新聞記事がありました。
「65歳 盗んだのはヤモリ」(『東京新聞』26年8月27日)
窃盗を繰り返した65歳の男性が、服役し、まじめに10数年暮らしていたのに、今年になって万引き事件で逮捕されたそうです。盗んだのは、ヤモリでした。
捕まった男性像

アパートで一人暮らしをしていた男性は、年金と清掃の仕事を掛け持ちして月15万円ほどで暮らしていました。友人は無く、同僚とも「仕事場で話すだけ」だったそうです。
そんな男性が、去年の春、公園で掃除の仕事をしている途中、偶然、トカゲを見つけ、飼うことにしたそうです。
眺めたり、世話をすることが次第に「癒やし」になり、唯一の趣味になっていったものの、そのトカゲが死んでしまうという不幸に見舞われました。
その寂しさを抱え、トカゲの餌を買い求めたペットショップに行ったときに、トカゲに似た姿をしたヤモリを見ているうちに、我慢ができなくなったのだそう。
その後、タガが外れたように同じ手口で計5匹(22万円相当)を盗み、逮捕されました。
同記事の端っこには「万引 4割が高齢者:というカコミ記事も載っていました。そこには、万引きで摘発された高齢者のうち「相談できる人がいない」は55.7%、「交友関係は「いない」が44.5%、生きがいは「なし」が63.5%となっていました。
小さな夢は大きな野望

身につまされるような思いでした。
先代の愛犬(やはりゴールデン・レトリーバー)が亡くなった後、散歩中のゴールデンを見かけては後をつけたり、遊んでいる姿を公園の垣根からこっそりとのぞいていた自分を思い出しました。
保護犬や保護猫も高齢(多くは60代)になると、譲ってもらえません。ネットで調べると「大型犬の飼育は高齢者には無理」という記述がわんさかあり、「生涯ゴールデンと暮らしたい」という私の夢は、どうなるのかと、不安に駆られました。
高齢になっても、自分が望む生活スタイルを貫きたい。みなしごになっても、いや、みなしごだからこそ、日々を分け合う動物たちと暮らしたい。できることなら、「それはゴールデン・レトリーバーがいい」ーーそんな小さな私の夢が、とてつもない野望なのだと実感させられた記事でした。
(文責:C)












