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以前、こちらで‘身近な人が怒っているときの対応の仕方’について書かせていただきました(こちらをご参照ください)。

その中で、「怒りのぶつけあいは長い時間しないほうがよい」と書いたのですが、「話し合いをやめようとしても相手がそれを許してくれない」「逃げるのか!と相手に言われてしまってその場を去れない」といった状況でお困りの方もいらっしゃるかもしれません。

怒りに巻き込まれないために

怒りの感情を爆発させている相手に対して、「これ以上話しても無理そうだ」と思った場合、まずは
「今の怒っているあなたとはこれ以上話せない」
「落ち着いているときに改めて話そう」
という旨を淡々と伝えます。
そして、相手がその言葉に同意していなくても、相手が怒り続けていても、物理的な距離を取りましょう。

相手との距離の取り方

夫婦や親子など、身近な関係の間で激しい怒りを爆発させる場合、場所は自宅であることが多いかと思います。可能であれば、数十分~数時間ほど家を離れて、一旦クールダウンの時間を取れるとよいでしょう。

ですが、時間帯が夜であったり、お子さんを家に置いていけなかったり、その他さまざまな状況で家を離れられない方もいらっしゃるかと思います。そのような場合は、家の中でも別の部屋に移動したり、ひとまずお風呂に入る等して、物理的な距離を取るようにします。

‘怒り’を伴わない会話をめざす

改めて話し合うときには、相手を責める言葉でなく、「私はこういうことを伝えたかった」と自分を主語にして相手に伝えるようにしてみましょう。
そして、話し合いができそうであれば、「どの点について折り合いたいと考えているか」ということを意識しながら、すなわち、話し合いの目的を見失って‘責め合い’にならないよう気をつけながら、進めていけるとよいでしょう。

家庭内でいったん定着したコミュニケーションのパターンは急には変わらないかもしれません。が、‘怒りのぶつけあいには応じない’姿勢を繰り返し見せていくことで、相手に変化があるかどうか、まずは試してみてはいかがでしょうか。

なかなか状況が改善しない、あるいは状況がもっと複雑である、といった場合には、カウンセラーなど第三者に相談されることをお勧めします。

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身近ではあるけれど、ときに扱いにくく、厄介なのが‘怒り’の感情です。
自分自身の怒りをどうコントロールするかという‘アンガーマネジメント’という言葉も近年一般的になってきたように感じます。

それも一つの大きなテーマですが、ここでは、自分ではなく、「身近な他者の怒りをどうするか」について考えてみたいと思います。

他者の怒りに接したとき

多くの方が、怒っている人を目の当たりにしたとき、「この人はなぜ怒っているんだろう」と想像をめぐらせたり、相手に直接たずねたりして、原因がわかればその原因の解決・解消に努めることでしょう。

ですが、これがスムーズにいかないときも現実では多々あります。
相手が感情的になるばかりで結局原因がはっきりしないとか、原因がそう簡単には解決しなさそうな事柄である、等々。

そうすると、この感情が衝突する場面は何度も繰り返されることになり、より関係がこじれたり、精神的に疲れ果ててしまったり、とあまり良い展開にはなりません。

身近な関係の中での‘怒り’

‘怒り’には強い力があって、相手の人を傷つけたり疲弊させたりします。ですので、より強い怒りを発した側が、相手の人の主体的に考える力を奪ってしまったり、精神的に弱らせてしまうような状況を引き起こします。

一方の怒りの強さに相手が巻き込まれてしまう状態――これが夫婦・パートナー間だと‘DV’と言われる状態ですし、荒れているお子さんに親御さんが振り回されてしまう状況ですと‘家庭内暴力’と呼ばれます。

対応のコツは‘怒りに巻き込まれない’

怒っている人と「これ以上話しても無理そうだな」と思ったときは、あまり長い時間やり合わないようにすることをお勧めしています。
話し合い自体はもちろん必要なことはあると思いますが、結論が出ないような‘怒りの感情のぶつけ合い’を長時間することにメリットはありません。目安として30分以内、長くても1時間程度で切り上げるほうが良いように思います。

「怒っている人との話し合いを切り上げるだけでも大変」というケースもあるかと思いますので、その点についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。

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「私は人格障害なのではないか」
「パートナーは発達障害なのではないか」
「同僚はうつになったのではないか」
「これは〇〇障害の症状なのか」

・・・最近、そんな疑問の答えが欲しくて、カウンセリングに来られる方が増えたような気がします。

情報が簡単に集められる昨今

インターネットで案単に情報が集められる昨今。精神疾患や人格障害についても、専門家から当事者(を名乗る人)まで、動画やスライドなども駆使して、懇切丁寧に説明しているサイトがたくさんあります。
なかにはフローチャートやチェックリストで自己診断ができるようなものもあります。

「××なことがある」と尋ねられれば、だれしもある程度思い当たることはあるもの。そもそも、自分のある傾向や不便さに悩んで検索しているので、自分と重なることが目につきやすくなります。

ネット情報の危うさ

でも、こうした情報は、たとえばある精神疾患の症状のほんの一部を切り取っているものだったり、「一面的な見方をすれば」というものだったり、「こういうふうにも考えられる」というひとつの考え方に過ぎなかったりします。

また、そのサイトを読んでいる人の受け取り方にも大きく左右されます。

たとえば「うつ」という言葉一つとっても、それが抑うつ状態を指しているのか、いわゆる大うつ病のことなのかもよくわからない記述があったりします。
抑うつ状態は多くの精神疾患や人格障害に共通の症状でもあります。

症状は「記憶」の産物だった

かつてのクライアントさんに、周囲から統合失調症を疑われている方がいました。「亡くなったはずの親が自分をいつも見ている」とか「人混みにいるといろいろな声が聞こえてくる」などという、幻聴や幻覚ともとれる訴えから、そのように判断されていました。

しかし、その方の生育歴を丁寧に聞き、幻聴の内容や、どんなときにそれが生じるかなどを聴き取っていくと、親からの激しい虐待に由来する「記憶」によるものであることが明らかになっていきました。

過酷な子ども時代を生き延びるために、常に親の顔色をうかがい、あちこちアンテナを張り巡らしてひとつの物音も聞き洩らさないようにしてきたことが原因でした。

カウンセリング機関としての使命

心の問題や発達障害が広く知られ、だれでも情報を得られるようになったことは歓迎すべきことです。でも、一方で簡単にカテゴライズできるようになって、「××があるから〇〇病」と、周囲も本人も、安易にラベリングしてしまう危険性もあります。

そうなると逆に、本当に必要なケアやサポートが受けにくくなってしまうことも起こります。
そんなことにならないため、カウンセリングは身近で利用しやすいものでないといけません。ていねいにお話をうかがいながらの情報提供。それもまたカウンセリング機関としての使命なのだと感じる、今日この頃です。

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ご自宅にいながら相談を受けていただけるオンラインカウンセリング。
コロナ感染対策という観点から、あるいは遠方にお住まいの方や移動時間を節約したいという方、また電車等での移動が苦手という方にも広くご利用いただいております。

ご検討いただく際には、あらかじめ以下の点をご留意いただけますと幸いです。

オンラインでのご相談は、個人(1対1)でのご利用となります

カップルカウンセリングなど複数名でのご相談は対面に限らせていただいております。
遠方にお住まい等やむを得ないご事情がある方はお問い合わせください。

お子様(成人の方も含めて)のカウンセリングを保護者様が申し込まれる場合

初回は保護者様のみでお話いただくことをお勧めしております。お子様が説明できる年齢であっても、メンタルのコンディションが思わしくない場合は、今までの経過や状況などを十分に説明できない場合があるためです。

初回相談の中で、2回目以降どのように進めていくか決めていきます。場合によっては、相談時間を分割して、お子様と保護者様それぞれからお話をお伺いすることもあります。その際には、それぞれお部屋から退出していただき、お一人ずつ順番にお話しいただいています。

カウンセリングは、できるだけ本音で、ありのままの感情でお話いただいたほうが回復・改善に向けての展開がスムーズになります。
また、相談中のご家族の方の言葉や話の内容を別の方が聞いて傷ついてしまったり、
「自分が家族にこんな迷惑をかけているんだ」
と罪悪感を抱いてしまったり、といったリスクを避けるという意味でも個々でお話いただく形が望ましいと考えております。

お子様の相談に限らず、ご本人様以外のご家族の方がオンラインカウンセリングをお申込みいただく場合も同様です。あらかじめご承知おきいただけますと幸いです。

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「ものすごく大胆な構図と独特な色使いで絵を描く子がいるの! もしかしたらすごい芸術家になるかも!?」

あるとき、小学校で図工を教えていた友人が、新一年生の男の子のことを興奮気味に話してくれました。その子は、たとえば太陽を白で星ようなかたちに描き、海を黄色で塗ったりするというのです。

“常識”は現実からかけ離れている

多くの場合、私たちは、太陽は赤やオレンジで丸く、海は青で描くのが“常識”です。嵐の海を黒っぽく塗ったり、柔らかい日差しを黄色で表現することはあるかもしれませんが、せいぜいその程度です。

でも、本当に太陽は、海は、そんな色や形をしているでしょうか?

確かに沈む夕日は燃えるような赤やオレンジになることがありますが、昼間の太陽は違います。強い熱を放つ太陽は丸というよりも、少し尖った印象を受けたりします。強い日差しに照らされた海は、青というよりも黄金色の輝きを放っていたりします。

「見たまま、感じたまま」

それを紙の上に現そうとすれば、私たちが通常描く“常識的な絵”は、現実からかけ離れています。きっと男の子は、「目に見えた風景」「自分が感じた景色」を素直に表現したのでしょう。

本当の自分を見失っていく

ところがそれから半年もしないうちに、友人はがっかりした表情を見せました。

「あの子の絵、だんだん普通になってきちゃった。他の子と同じような絵しか描かなくなってきちゃったの」

学校では「こうあるべき」を教えられるし、他の子と違えば目立ち、ときに笑われたり、いじめの対象になったりします。
「みんなと同じ」でいるほうが、学校では過ごしやすいのでしょう。だけどそれは、自分を見失うことでもあります。

感情よりも思考を優先させ、理性で欲求を抑えているうちに、「自分がどうしたいのか」や「何を望んでいるのか」が分からなくなり、喜びや楽しみも薄れてしまったりします。

心を解放し、五感で感じる

でも、あなたの中の感性豊かな子どもはいなくなってしまうわけではありません。出番を待ちながら、ひっそりと隠れているだけです。「いつか気付いてくれるかも」と、あなたを待っているのです。

そんな“あなたの中の子ども”をもう一度、呼び起こしてみましょう。
その子は、無意識の世界への案内人です。今まで見えなかったものを見せてくれたり、気付かなかったものに触れさせてくれたりします。いくら頭で考えても分からなかったことを教えてくれたりします。

その力を借りて、心を解放し、五感で感じてみましょう。そして、本来の自分を取り戻していきましょう。

箱庭ワークショップは、その手伝いをしてくれます。

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認知行動療法を用いたカウンセリング

気分が鬱々としがちな方に有効とされる認知行動療法。
近年、テレビやインターネット上の情報としても取り上げられることが多くなり、より注目が集まってきています。

認知行動療法は、認知療法と行動療法という、元々は別にあった二つの心理治療の方法を掛け合わせて、言うならば‘良いとこ取り’して生まれてきた、比較的新しい手法です。
ここ20~30年で急速に広まり、今や欧米での心理治療の主流になっているとも言われています。

実際にこちらの相談室で用いる場合の大まかな流れについてご紹介します。

初回のご相談では

まずは、ご相談者様のお困りの事柄や今までの経緯などをお聞きします。
困っていらっしゃる事柄にアプローチする方法として、認知行動療法がもっとも適切かどうかについて検討します。

ご相談内容によっては、認知行動療法以外の方法についてご案内させていただくこともあります。
たとえば、「自分の生き方について考えたい」という漠然とした大きなテーマの場合、あるいは、対人関係や家族・子育ての問題などについて対応を具体的に考えていくことが優先課題と思われる場合などは、認知行動療法は用いず、通常のカウンセリングとして進めていくことをお勧めします。

認知行動療法の進め方

日常生活の中で気分がネガティブな方向に揺れ動きやすいエピソードを挙げていただき、それについてさまざまな角度からの「検証」をおこないます。

「検証」とは、ご自身の感情がどう揺れ動くのか、その背景にはどのような考え方があるのか、その考え方のメリットとデメリット……等々について、詳しく掘り下げていく作業になります。
そのプロセスを可視化するためのワークシートや、考え方のクセを振り返るためのチェックリストを用いることもあります。

認知行動療法でめざす回復・改善とは?

このような作業を何回か繰り返しおこなっていくことで、今までは
「自分では手に負えないような感情の揺れ動きや落ち込み」
であったのが、
「自分で自分の感情を客観的に捉えられる・コントロールできる」
という感覚に近づけていきます。

認知行動療法は、「カウンセラーに変えてもらう」でなく、ご相談者様ご自身の気づきを通して、よりストレスの少ない、柔軟な考え方に無理なくシフトチェンジしていくための手法です。

その作業をお一人でされるのはなかなか大変だったりしますので、カウンセラーは作業を一緒に進めていくガイド役、というイメージでしょうか。
(自分でできるという書籍は多数出ていますが、あまりうまくいかなかった・途中で挫折したというお話もちらほら耳にします)

他のどの心理療法もそうであるように、認知行動療法もオールマイティではありませんが、うまく使うことで効果が実感しやすい方法でもあります。
(前述のとおり、ご相談内容によってはあまり適さないこともあります)

興味のある方・ご検討中の方は、お気軽にカウンセラーまでご相談ください。

こちらのサイトにも情報がございます。
認知行動療法を用いた心理相談
・メンタルヘルス専門相談

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最近、男性のご相談が増えている印象があります。
夫婦間、カップル間で問題を感じているという場合でも、女性よりも男性がファースト・クライエント(最初の相談者)として登場するということも珍しくなくなってきました。

一昔前は、カウンセリングを利用するのは女性が圧倒的。
男性の多くはカップルカウンセリングやファミリーカウンセリングでさえも参加したがらない、ということがよくありました。

妻や母親と呼ばれる立場の人が、どうにかして夫・父親をカウンセリングに引っ張ってこようとするも、なかなか実現しないということがよくあったのです。

逆に、男性(夫や父親)が登場すると、そのカウンセリングは劇的な影響を受け、家族の風通しも良くなり、凝り固まっていたものが動き出すなど、大きな変化が期待できたものでした。

男性の家事・育児への理解は深まっても

ところが最近は、男性がまずご相談にやってくるのです。
その様子を見ていると、もしかしたら、日本の男性が

「男は弱音を吐いてはいけない」
「男は強くなくてはいけない」

などの“男らしさの病”から解放され、新しい生き方を獲得しつつあるのではないかという期待もあるのですが、現実生活では難しいところもあるようです。

それを実感したのが、つい最近、都が発表した『男性の家事・育児参画状況実態調査』(21年度)調査結果です。
これは、都内在住の18〜69歳の男女を対象に働き方の変化と家事・育児への影響などを尋ねています。有効回答数は5000人で、うち2000人は未就学児の子を持ち、配偶者と同居する男女でした。

前回(19年度)以後、新型コロナウィルスの感染拡大により、在宅が増え、男女ともに家事・育児に取り組みやすい環境になりました。

事実、配偶者がいる男女の40%が、平日の在宅時間のうち仕事以外に使える時間が「増加した」と回答。仕事以外に使える時間が増えた人のうち、男性の65.5%が「家事・育児に対する理解が深まった」と答えたそうです。

ところが、子育て世代男女の週全体平均を見ると、1日あたりの男性の育児時間は2時間23分(19年度)から2時間15分(21年度)にダウン。女性は6時間9分(19年度)から6時間10分(21年度)に微増しました。

育児以外の家事等も含めた21年度調査の週平均は、男性が3時間34分、女性は8時間54分で、その差は5時間20分です。19年度調査に比べて男女差は19分拡大しました。

つまり、

「家にいる時間が増加して男性の家事・育児への理解や関心は高まったが、実際にはやらないまま。逆に、家にいがちな家族のため女性の家事時間が増えた」

ということなのではないでしょうか。

取り返しのつかないことになる前に

これでは、女性のイライラ、夫婦間衝突、不和が増えても不思議はありません。
「どうして私ばっかり」と、女性の喪失感は募るばかりです。

もちろん、こうした状況をつくったのは、男性個人の問題ではないでしょう。
長年、日本社会がつくってきた働き方の問題、世間が向ける男性への目、性役割の固定概念など、いろいろな理由がありそうです。

かつて男性は企業戦士などと呼ばれ、「24時間戦えますか?」という栄養ドリンクのCMがはやるほど、「夫は仕事、妻は家庭」が当たり前とされていました。それらは日本社会全体の問題です。

しかし、「社会の問題だから」と看過していたら、夫婦関係は取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
夫の側は「うまくいってる」と思っていても、妻は内心、「不満や怒りでいっぱい」になっているかもしれません。

我慢したもの、ため込んだものが噴出したときほど、恐いものはありません。お互い思うことは、相手に伝わる方法で吐き出しつつ、上手に落としどころを探していきたいものです。

それには、まず、自分が何を感じ、考えているかを知り、よいコミュニケーション方法を探すことが重要です。

CAFICでは、こうしたみなさんのニーズに応えるため、カップル・カウンセリングや「もうひとりの自分”と出会うーー自己理解の勧め」なども用意しています。男性のみなさんも、ぜひご参加ください。

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芸術の秋だから‥というわけではないのですが、今回はカウンセラーが心理相談の中で用いる手法の一つ、アートセラピー(芸術療法)についてご紹介したいと思います。

アートセラピー(芸術療法)とは

 芸術表現には、それを作成した人の深層心理が現れる‥と考えることができます。また、創作活動そのものが、心を癒やすとも言われています。
‘アートセラピー’とは、芸術的な創作活動を伴う心理療法をひとまとめにしたカテゴリー名です。具体的な手法として、箱庭療法・コラージュ療法・絵画療法などが代表的なものとして挙げられます。

箱庭療法とは:木箱の中に箱庭療法専用の砂が入っており、その砂を動かしたり、ミニチュアを使ったりして、さまざまな風景や状況を表現することができます。

コラージュ療法とは:さまざまな写真やイラストの切り抜きの中から、ご自身が使いたいと思うものを選び、それを白い紙の上に自由に配置し、糊で貼っていきます。

どちらの手法も、ご自身でテーマを決めて作成することもできますし、ただ気持ちのおもむくままに作っていただいても結構です。

「そんなこと急に言われても、おとなの自分が取り組むのってちょっと抵抗がある‥」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に体験していただくと、ご自身の感覚をフルに働かせながらの作業に没頭し、楽しまれる方が大半です。

安全な場で表現することがこころを癒やす

 私自身もかつて見習いカウンセラーをしていた頃に、ベテランの先輩カウンセラーに見ていただきながら、箱庭やコラージュを作り、どういう思いで作ったか、今どんな気持ちか、などを聞いてもらい、とてもスッキリした!という体験をしました。

ちなみにこの‘スッキリした!’という感覚は、心理学用語でカタルシスと言います。カタルシスは心の浄化作用とも言われています。言語化できないような心の奥のモヤモヤを芸術表現をとおして吐き出すことで、心がほぐれて軽くなるような‥そんなイメージでしょうか。

アートセラピーは、年代・性別を問わず興味をお持ちの方に広くお勧めできますが、その他にも「言葉で自分の感情とか漠然としたものを表現するのが苦手」「カウンセリングでうまく話せるかわからなくて不安」という方にも適しています。また、発語が少ない、あるいはカウンセリングにあまり乗り気でないというお子様にも、ストレスなく楽しみながら取り組んでいただけるので、おすすめです。

詳しくは担当カウンセラーまで、お気軽にご相談ください。

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小学校や中学校でおこなわれているスクールカウンセリングや、自治体の教育委員会が運営している教育相談センター(名称は地域によって異なります)。
これらとCAFICのような民間の心理相談機関は、何が違うのか、どう選ぶべきか、について考えてみたいと思います。

教育相談とは?

対応できる相談内容は、どの機関でもさほど差はないかと思いますが、それぞれに得意分野はあります。

まず、学校校内でおこなうスクールカウンセリングは、学校内でのトラブル(友人関係など)や学校の先生たちに対応を考えてもらいたいと思うような事案(たとえば登校渋りや不登校など)に関して、カウンセラー経由で学校側とやりとりできる、というのが最大のメリットです。
カウンセラーと先生たちが校内で上手に連携を図ってくれるようであれば、そこに効果が期待できます。

教育相談センターは、発達に関する検査をおこなっていることが多いですが、希望者が多いため、学校で特別支援教育を受けることを検討されている方など必要性が高い方に限定しておこなっている自治体が首都圏では一般的です。そのほかに、お子様と保護者の方を対象とした心理相談全般もおこなっています。

担当者との‘相性’が決め手?!

スクールカウンセリングと教育センターに共通していることは、相談員の専門性にばらつきがあるということかもしれません。
自治体によりますが、中には‘カウンセラー養成の大学院を出たばかりで社会人1~2年目’という新人さんもいれば、心理系の資格を持たない元教員の方も相談員として勤務していたりします。

そのような方が必ずしも専門性の低い支援しかできないというわけではありませんが、「期待していたカウンセリングとちょっと違うかな」ということもあるかもしれません。
さらに言えば、心理の資格があり、経験があったとしても、あるご相談者の方にとっては「あまりピンとこないな」ということもありえます。

いずれにしても、カウンセリングは、ご相談者様とカウンセラーとが‘しっくりくる関係’であること、「この人に自分の悩みを手助けしてもらいたいな」と思えるような信頼関係が築けていることが大切です。

じょうずに活用して「次の一歩」へ

もし、学校など身近なところでの相談に出向いてみたけれどあまりしっくりこない、ただ話を聞いて「様子を見ましょう」と言われるだけで一向に進展が見られない、という場合は、別機関を検討してみられてもよいかもしれません。

また、不登校やひきこもりで学校から遠ざかってしまっている場合や、ご家庭内でのお悩みなど「学校のカウンセラーにこういう相談ってちょっと違うのかな?」と思われる場合なども、お気軽にCAFICにお問い合わせください。

年内は30日(水)まで、新年は電話・メール対応は4日(月)から、相談は5日からスタートします。どうぞよろしくお願いいたします。

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厚生労働省は、全国の児童相談所に今年1~6月に寄せられた虐待相談の対応件数(速報値)をまとめました。9万8814件(2020年9月30日)で、前年同時期と比べて8948件(10%)増えたものの、緊急事態宣言が出された4月から増加率が鈍化しているそうです。
コロナの影響で親子ともに自宅で過ごす時間が増え、虐待の増加が懸念されていたのは取り越し苦労だった・・・と安心したいところですが、「学校の休校などで虐待が見つかりにくくなっている」(同省)そうです。

虐待の数字を押し上げる夫婦の面前DV

面前DV

コロナのなか虐待が増えたのか減ったのか・・・本当のところはわかりません。

しかし、昨今の虐待統計を見ていると、子どもの目の前で激しい夫婦げんか(DV含む)が行われる「面前DV」が、心理的虐待の数字を押し上げていることは事実のようです。外出が減り、家の中で顔を合わせる時間が長くなればイライラや葛藤場面が増えること。平たく言えば「相手の嫌なところが目に付きやすくなり、けんかが増える」ことは、容易に推測できます。

実際、ご相談のなかでも、「コロナで家にいることが多くなって配偶者やパートナーに対しての不満が増えた」とおっしゃる方は少なくありません。

小さな火種のはずが・・・

長年生活を共にしていれば、不満が募ったり、ボタンの掛け違いが起きてしまったりすることはめずらしくありません。気安い間柄だからこそ、ちょっとした言い合いがヒートアップして、罵り合いになってしまうこともあるでしょう。

ひとつひとつの不満の種は、たとえば靴下の脱ぎ方だったり、食器の洗い方だったり、LINEの返事が遅いことだったり・・・端から見れば“微笑ましい”ような小さな火種だったはずなのに、いつのまにか二人では収拾できないほど燃え広がってしまうこともあります。

「家族の問題をだれかに話すのは恥ずかしい」
「夫婦のことを他人が理解できるはずがない」

第三者の視点を入れて解決の糸口を探しては

カップルカウンセリング

「夫婦のことだから」と抱え込んでしまうと、関係はさらに硬直していきます。次第に解決の糸口を見つけることが難しくなっていきます。

長い間、こんがらがり、膨らんだ毛糸玉を解くためには、ちょっとしたコツや経験が必要です。今までと同じやり方を続ければ、ますますこんがらがってしまうかもしれません。

第三者の客観的な視点を入れて、不満や問題のタネを見つけ出し、問題点を見つめ直して、やり直すきっかけを探してみてはいかがでしょうか。

お互いに「やり直してみたい」という気持ちさえあれば、夫婦関係を修復する可能性は残されています。
カップルカウンセリングという選択肢も視野に入れてみてください。

広い意味でのカップルカウンセリングとは

ところでカップルカウンセリングというと「夫婦やパートナーを対象としたもの」と思われるかもしれませんが、広くは二者関係の調整をはかるカウンセリングを指します。たとえば「親と子」や「上司と部下」「依頼人と依頼者」などです。

身近にいる大切な人、簡単には縁を切れない重要な相手との関係性に悩みを抱えている方も、ぜひご相談ください。