相談室ブログ,CAFICについて,子どもに関する相談(問題)

「子どものことで相談したいけれど、本人がカウンセリングには行きたがらなくて」というご相談を承ることがしばしばあります。

小学校高学年から中学生、いわゆる思春期の時期になりますと自我が芽生えて主張がはっきりしてきますので、なおさらそのようなお子さんも多いことと思います。

ご本人が来室されなくてもOK

病院の場合、「ご本人が来て診察を受けてもらわないと薬が処方できないので」と言われてしまうこともあるようですが、CAFICではそのようなことはありません。

保護者の方がお子さんを説得しようとしてエネルギーを消耗してしまったり、時期が延ばし延ばしになってしまうよりも、まずは保護者の方に相談にお越しいただくことをお勧めしております。

「本人を見ないとわかりませんよね?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、保護者の方のお話だけでも十分カウンセラーは対応策を考えることができます。
保護者の方からの情報で、見立て(ご本人がどのような心理状態にあるかの推測と今後の見通し)はだいたいできますし、それに基づいて、ご家族の方がお子様にどう関わっていただくのが良いか、どのように環境を調整していくことが望ましいか、といった点についても考えることができます。

最後までご本人が登場しないことも

カウンセリングではお子さんが相談の場に直接現れなくても、ご家族の心理支援をおこなうことで、ご本人に間接的にアプローチし続けることが可能です。
これは「家族療法」という心理療法の一種を用いた手法で、お子さんの年齢を問わず、適用することができます(お子さんが成人している場合でも大丈夫です)。
ですので、中にはカウンセラーはご本人とは全く会わないまま、保護者の方とのカウンセリングを継続することで、ご本人の問題が改善したり、解決に近づいたりすることもあります。

本格的な‘引きこもり’を防ぐために

特に不登校で家や自室にこもりがちになっているお子さんの場合、「大事な話をしようとすると逃げてしまう」「本人が相談に行くと言ったのに実際にはなかなか動かない」といった状態になることが多く、専門家が関わるタイミングが遅くなりがちです。

不登校やこもりがちの状態が長期にわたりますと、自動的に本格的な引きこもりに移行していく可能性が高くなります。

長期化する前に、そしてできるだけ年齢が若いうちに新たな段階に向かえるよう、まずは親御さんご自身が早めに支援機関とつながることをお勧めしております。

相談室ブログ,CAFICについて,心理療法カウンセリング

厚生労働省は、全国の児童相談所に今年1~6月に寄せられた虐待相談の対応件数(速報値)をまとめました。9万8814件(2020年9月30日)で、前年同時期と比べて8948件(10%)増えたものの、緊急事態宣言が出された4月から増加率が鈍化しているそうです。
コロナの影響で親子ともに自宅で過ごす時間が増え、虐待の増加が懸念されていたのは取り越し苦労だった・・・と安心したいところですが、「学校の休校などで虐待が見つかりにくくなっている」(同省)そうです。

虐待の数字を押し上げる夫婦の面前DV

面前DV

コロナのなか虐待が増えたのか減ったのか・・・本当のところはわかりません。

しかし、昨今の虐待統計を見ていると、子どもの目の前で激しい夫婦げんか(DV含む)が行われる「面前DV」が、心理的虐待の数字を押し上げていることは事実のようです。外出が減り、家の中で顔を合わせる時間が長くなればイライラや葛藤場面が増えること。平たく言えば「相手の嫌なところが目に付きやすくなり、けんかが増える」ことは、容易に推測できます。

実際、ご相談のなかでも、「コロナで家にいることが多くなって配偶者やパートナーに対しての不満が増えた」とおっしゃる方は少なくありません。

小さな火種のはずが・・・

長年生活を共にしていれば、不満が募ったり、ボタンの掛け違いが起きてしまったりすることはめずらしくありません。気安い間柄だからこそ、ちょっとした言い合いがヒートアップして、罵り合いになってしまうこともあるでしょう。

ひとつひとつの不満の種は、たとえば靴下の脱ぎ方だったり、食器の洗い方だったり、LINEの返事が遅いことだったり・・・端から見れば“微笑ましい”ような小さな火種だったはずなのに、いつのまにか二人では収拾できないほど燃え広がってしまうこともあります。

「家族の問題をだれかに話すのは恥ずかしい」
「夫婦のことを他人が理解できるはずがない」

第三者の視点を入れて解決の糸口を探しては

カップルカウンセリング

「夫婦のことだから」と抱え込んでしまうと、関係はさらに硬直していきます。次第に解決の糸口を見つけることが難しくなっていきます。

長い間、こんがらがり、膨らんだ毛糸玉を解くためには、ちょっとしたコツや経験が必要です。今までと同じやり方を続ければ、ますますこんがらがってしまうかもしれません。

第三者の客観的な視点を入れて、不満や問題のタネを見つけ出し、問題点を見つめ直して、やり直すきっかけを探してみてはいかがでしょうか。

お互いに「やり直してみたい」という気持ちさえあれば、夫婦関係を修復する可能性は残されています。
カップルカウンセリングという選択肢も視野に入れてみてください。

広い意味でのカップルカウンセリングとは

ところでカップルカウンセリングというと「夫婦やパートナーを対象としたもの」と思われるかもしれませんが、広くは二者関係の調整をはかるカウンセリングを指します。たとえば「親と子」や「上司と部下」「依頼人と依頼者」などです。

身近にいる大切な人、簡単には縁を切れない重要な相手との関係性に悩みを抱えている方も、ぜひご相談ください。

相談室ブログ,CAFICについて,夫婦の問題離婚面会交流

10月から「配偶者などからの暴力・DV(モラハラ含む)相談」と「ペットロス・看取り相談」が始まります。月曜・水曜限定です。詳細はこちらよりご確認ください。

当初、ペットロス・看取り相談はグループを中心にしようと考えていましたが、新型コロナウィルスがなかなかおさまらないため、当面は、オンラインによるマンツーマンの専門相談(対面をご希望場合はお申し出ください)とさせていただくことにしました。

暴力・DV相談

相談ください

配偶者などからの暴力・DV(モラハラ含む)相談については、

「自分が暮らしている自治体の女性センターや警察が行っているDV相談に、家庭の事情を話すのはためらいがある」
「役所や警察に相談に行くとシェルターに入らないといけないと聞いた」
「DV避難した場合、どんなプロセスをたどるのかわからないと踏み切れない」

・・・そんな話を行政のDV相談でよく耳にしました。

確かに、これからどんな生活が待っているかもわからないのに、「避難しよう」とはなかなか思えません。地元の相談窓口だと、地域の目が気になるというご意見ももっともだと思います。

増える面前DV通告

また、昨今、子どもの前で行われるDV(面前DV)が心理的虐待にカウントされるようになりました。それにしたがい、面前DVによる虐待通告が増え、子どもが児童相談所に一時保護されるケースも多くなりました。

DVと夫婦げんかの線引きが曖昧である、たとえDVのケースであっても一時保護されて親と会えなくなってしまうほうが本当にいいのかなど、さまざまな疑問があります。

そうした中、「DVだと児童相談所に子どもを連れて行かれてしまうと聞いたから、DV相談に行きたくない」という、DV被害者の方の声も聞きました。

「子どもを取られるくらいなら、このままの生活でいい」と考えてしまうのは当然ではないでしょうか。

ひとり一人のニーズに合ったサポートを

一口に「DV避難」と言っても、望むことや大切にしたいこと、生活状況、家族への思いなどはそれぞれ違います。

ひとり一人違う、疑問や不安に少しだけでもお応えし、その方のニーズに極力、沿いながら、安全を守り、その人らしい生活を手に入れることができるよう、お手伝いさせていただきたいと思っています。

相談室ブログ,CAFICについて,夫婦の問題離婚面会交流

両親の不仲

CAFICの「サポートできること」に「未成年の子どもがいる人のための離婚相談」が加わりました。

日本は、世界でもまれな単独親権(離婚した際には父母どちらか一方親権を持つ)の国です。
そのため、離婚をするとなると親権や養育費、別れて暮らす親(別居親)が子どもと会って関係性をつくる面会交流など、いくつもの困難に見舞われます。

これらをめぐって(元)夫と(元)妻が壮絶なバトルを繰り返すことも、少なくありません。

新たなアダルト・チルドレンの誕生

バトルは、当事者である(元)夫と(元)妻それぞれが傷つけ合うだけでなく、子どもにも深刻な影響をもたらします。

悲しい

子どもは両親の不穏な空気を読み、無意識のうちに「自分がどう振る舞うべきか」を考えます。

多くの場合、今、自分の面倒を見てくれている同居親が望むことを推測し、トラブルを避けようと自分の気持ちを後回しにしていきます。
「大好きな両親が争うのは自分のせいだ」と自責の念に駆られたり、「別居親に会って欲しくない」という同居親の本音を取り込んだり、不幸な親の慰め役となったりすることもあります。

こうしたことを繰り返すうちに、親の期待に添うような生き方に縛られ、自分自身の感情を感じられなくなっていきます。
やがて「だれかのために生きる」ことが生きがいになってしまい、「必要とされる必要」の病に陥ることにもなりかねません。
まさに新たなアダルト・チルドレンの誕生! です。

自尊感情の低いおとなに?

また、子どもは会えない同居親への思慕を打ち消すため、別居親の人格を必要以上にゆがめたり、別居親への恐怖心を自分自身で植え付けたりして、「会う価値のない親である」と自分を納得させようとすることもありします。
そうしては、心の片隅で愛する親を排除し、背を向けた自分を責めながら生きることにもなります。

自分の半身である片方の親を否定することは、自己を否定することに他なりません。そのため、自尊感情の低い、いつも満たされないおとなへと成長してしまう可能性が高くなります。

子どもの危機に親はなかなか気づけない

親が気づかない

子どもがこんな危機的な状況におかれていても、親たちはなかなか気づけません。親も、自分の生活を守ったり、調停や裁判を有利に進めたり、何より、「一生を共にしようと誓った相手に裏切られた」という傷つきで、いっぱいいっぱいになってしまうからです。

その傷付きを癒やすために、執拗に相手を責めたり、次々と裁判を起こして相手の非を明らかにすることに気を取られてしまいます。結局は、よけいに自分を傷つけることになるとは気づかないまま・・・。

知らず知らずのうちに、子どもに別れた配偶者に代わるパートナー役となることを望んでしまうこともあるでしょう。

負の連鎖に陥らないために

こうしただれも幸せにしない負の連鎖に陥らないためにも、争いを止め、お互いの傷付きを最小限に抑えつることが大切です。そして、だれよりも愛しいはずの子どもの成長・発達を保障したかたちで、別々の人生を歩み出す必要があります。

CAFICを利用することで、そのための知恵とサポートを得ていただけたらと思います。

相談室ブログ,CAFICについて

ゴムの木
相談室のゴムの木も、CAFICと一緒にぐんぐん伸びています!

7月からCAFICの講座が始まりました。

当初は、「グループ相談を基本に」と考えておりましたが、コロナ・ウィルスもなかなか落ち着きません。
ご利用される方々の安心確保のためにも、当面は「マンツーマンの専門相談」という位置づけにさせていただき、状況をみながらグループ相談も開催する方向で考えていきたいと思います。

詳細については「講座など」や「お知らせ」でお知らせいたしますので、そちらをごらんください。

「熟年期・認知症の方の家族相談」開催

7月は、「熟年期・認知症の方の家族相談」が開催されました。要介護2の家族との関係性に悩む方がご参加されました。

病気の影響で暴言や暴力などがあり、共に暮らすことに疲れてしまった。かといって今後、どうしていったら良いのやら・・・と、途方に暮れておられるようでした。

専門相談員は、
「介護や別居、それにまつわる費用や今後の生活費など、現実的な問題がいくつもあることに気づいていただき、それらを検討していただくための情報提供等や念のためしておいた方がよい検査等についてご案内した」
そうです。

現実検討と語りの場に

熟年期の悩みには、

「5年後、10年後、自分の体力も落ちていくなかで介護をしていけるのか」
「施設などに入ってもらうとしたらいくらくらいかかるのか」

など、先を見通してのマネープランがとても重要です。専門相談はこうした現実検討にとても役立ちます。

また一方で、「現実的な問題には手をつけられない(つけたくない)けれど、この苦しい気持ちをひとりで抱えるのはたいへん」という方もおられます。そうした方が第二の人生を自分らしく、豊かに生きるためにも、ぜひCAFICの講座をご利用ください。

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東京の都心部だけでも数えきれないほどたくさんある心理相談機関。その中でもCAFICだからこそできること、を私たちは考えてきました。

CAFICの心理相談

まず、特徴として一番に挙げられることは、一つの心理療法の枠に捉われていない、ということです。

「心理療法」という言葉に馴染みのない方も多くいらっしゃるかと思いますが、簡単に言うと心理相談をおこなう上での‘流派’のようなものです。
例えば最近ですと、「認知行動療法」が一般的に知られるようになってきていますが、これも心理療法の一種です。
認知行動療法は治療効果が確認しやすい等長所もたくさんある手法ですが、この手法のみで全てのお悩みが解決するかというと、答えは‘NO’なのです。

つまり、オールマイティな心理療法というのは存在せず、どのようなお悩みにどのような方法でアプローチしていくかは、カウンセラーの技量が問われるところでもあります。

まずはご相談内容をお伺いしながら、適していると思われる手法を適宜ご提案させていただくスタイルになりますので、ご相談者様からも質問やご希望など、お気軽におっしゃっていただければと思います。

心理相談+α

二点目の特徴としては、心理相談だけでなく、ケースワークや情報提供といった支援も盛り込んでいることです。

例えば、「不登校で中学校に通えていない、高校はどうしよう」というご相談の場合。
カウンセリングを通して心身のコンディションを整えていくことももちろん大切ですが、同じくらい重要なのが、不登校生にも多くの選択肢があることを知り、最も自分に適した環境を選択できることです。

「不登校でもふつうの公立や私立は受験できる?」「通信制とサポート校の違いは?」「いわゆる‘普通校’に行けなくても人生のハンデにならない?」——そのような疑問をひとつひとつ解決していくことが安心感、そして希望につながります。

不登校は一例です。
他にも「別居や離婚をする場合の手続き・制度について知りたい」「そうなった場合の子どもの面会や養育費はどうなるのか」等、一般的な心理相談に‘プラスアルファ’(=情報提供や専門相談)でお応えできます。

人生のトータルサポート'を担えるような社会資源をめざして、CAFICの総合相談メニューは今後さらに充実させていく予定です。