相談室ブログ,子どもに関する相談(問題)

以前、お子様のカウンセリングを行う際の導入部分についてご説明させていただきました。
詳しくはこちらをご覧ください。

カウンセリングの頻度は?

カウンセリングの頻度は、カウンセラー側からは指定しておりません。お子さんの不安定さが顕著であったり、不登校・引きこもり傾向のため定期的な外出の機会を設けたい、という場合は、1~2週に1回のペースで始めてみてもよいかと思います。

お住まいが遠方で頻繁に来室するのが難しい場合や、お子さんが学校・部活・習い事等で忙しい場合は、無理せずに月1回くらいを目安にお越しください。

どのくらい続ける?

こちらもケースバイケースです。1~2回でははっきりした効果・変化が出ないことも多々ありますので、まずは4~5回程度を1クールとして見ていただけるとよいでしょう。

始めは少し頻度を多めで(たとえば2週に1回ペース)、安定してきたら、それを3~4週に1回、その後は1~2ヶ月に1回、と徐々に間隔を空けていくのもお勧めです。

子の相談内容は秘密ですか?

お子さんがどのようなことを話しているのか、親はどう関わったほうが良いのか、と心配になられる親御さんも多いかと思います。

お子さんがカウンセリングで話した内容は、基本、そのまま親御さんにお伝えすることはしておりません。お子さんが「カウンセラーに話したことは親に伝わるんだ」と思ってしまうと、本心を話さなくなってしまい、カウンセリングそのものがスムーズに進みにくくなるためです。

お子さんへの対応でお悩みの親御さんには、ご自身のカウンセリングとしてお越しいただければと思います。
そのご相談のお時間の中で、カウンセラーから助言・提案をさせていただいたり、必要に応じて、お子さんのカウンセリングを通じてカウンセラーが感じていることをフィードバックとしてお伝えさせていただいたりすることはあります。

詳しくは担当カウンセラーまでお気軽にご相談ください。

Posted by 梶原真弓

相談室ブログ,自助グループミーティング

同じ問題を抱える人々が集って体験や感情を共有したり、お互いを理解し合ったりしながら、問題解決や回復へのヒントを得る自助グループ。
現在、CAFICでは、ZOOMを使って以下の3つの自助グループを稼働させています。

最後に挙げた読書会は、厳密に言うと自助グループではありませんが、「斎藤学」をキーワードに読書会にたどり着く人がほとんど。そのため自助グループになじみがある方が多いようです。

そして、「ゆるーい集まりの方が良いなぁ」という私の思いもあって、自助グループ的な色合いの濃い展開になることが多いのが現状です。

参加には同意書の記入が必要

CAFICの自助グループに参加する際には、参加についての注意事項を読んでいただき、同意書に記入していただいています。

参加者の方々が安心して気持ちを表現したり、感情を分かち合えるようにするためです。

ルールや同意書の詳細はホームページ中の「ミーティング参加の申し込み」を読んでいただきたいのですが、そこに書かれたことを端的に申し上げると、「ミーティングでの発言は、言いっぱなし、聴きっぱなしで、全体の運びは主催者(ファシリテーター)に従ってもらう」ということです。

参加のルール

もちろん発言は自由ですが、誹謗中傷に当たることやプライバシーにかかわることを尋ねることは御法度です。

さまざまな事情で声を出しての参加が難しい方がおられたり、情報共有のためにチャットも使用しますが、お互いの距離感を守るために、原則として参加者同士での個人チャットはご遠慮いただいています。

安心して参加できる場に

参加者の方々がそれぞれの意思で、個人的に親しくなることは良いのですが、たとえばマッチングアプリや友達づくりが目的となると、ちょっと違う、ということになります。

オンラインである故の気軽さで、ふとお互いの垣根を越えてしまったり、距離感がつかみにくいこともあるかもしれません。が、自助グループ本来の機能、目的をご理解のうえ、だれもが安心して参加できる場になるよう、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

                                                           (木附千晶)

相談室ブログ,子どもに関する相談(問題)

進級・進学の時期ということもあり、お子さんのカウンセリングに関する問い合わせが増えています。
お子様のカウンセリングは、就学年齢(小学1年生)以上でお受けしております。年齢に関わらず、進め方は以下のようになります。

初回相談は保護者様のみ

こちらの相談室では、初回のご相談にはお子様の同席はなしで、保護者様のみでお話をお伺いしております。

ご両親がそろう必要はありませんので、お子さんのカウンセリングの必要性をより感じていらっしゃる方・ふだんのお子さんのご様子や今までの経過をよくご存知の方お一人にお越しいただければと思います。オンライン(ZOOM)での対応も可能です。

初回相談の際にお子様本人の同席をお勧めしていない理由は、以前の記事で詳しく書いていますので、こちらをご覧ください。

2回目以降でお子さんの心のケア

ここからがご本人の登場です。基本的には保護者様の同席はなしで、お子様のみでカウンセリングをおこない、終了のお時間にお迎えをお願いしております。
申し訳ございませんが、こちらの相談室には待合室がありませんので、保護者様には近隣のカフェや駅周辺でお過ごしいただいております。(ご近所にお住まいの方・中学生以上で自分で帰宅できる方はもちろんお迎え不要です。)

対面カウンセリングがお勧め

小学生のお子様の場合、まだコミュニケーションの力が発達途上ですので、大人のように自分の考えを言葉であれこれと述べたり、カウンセラーとのやりとりの中で新たな気づきを得たり‥というのは難しいことが多いです。中学生・高校生は言葉での表現力・思考力がだいぶ発達してきていますが、やはり可能でしたらオンラインでなく対面をお勧めします。

カウンセラーと直接会って場の雰囲気に安心すること、その信頼関係があってこそのカウンセリングであり、心のケアとして効果を発揮しやすいというのが一つの理由です。もう一点、箱庭療法など相談室でないと実施できないカウンセリングの手法があるため、というのも大きな理由です。

今回は、カウンセリングの導入部分についてのご案内でした。その後の進め方については、またの機会に書かせていただきたいと思います。

Posted by 梶原真弓

相談室ブログ,その他

今年のはじめ、恩師である斎藤先生のYotube齊藤學チャンネル」で対談をさせていただきました。

齊藤學チャンネルのそもそもの目的は「斎藤先生が臨床経験をもとに当事者と語る」こと。少しのぞいていただけばおわかりのように、公にはなかなか語れない、一般的にはタブー視されている動画ばかり。

登場する当事者の方々が赤裸々に語る自身の体験・経験、「常識」にとらわれない考えには感服するばかりです。

そうしたある意味、“突き抜けた”方々に交じって「私に語ることがあるのだろうか?」と、お引き受けするか迷ったというのが、お誘いを受けたときの率直な思いでした。

「準備は不要」の対談

運営者の方に「私が話せることがあるでしょうか? 当日はどんな準備をしていけばいいですか?」と尋ねると、次のような回答が・・・。

「斎藤先生がどんなことを話したいかで方向性はいくらでも変わってしまいますし、どう運ぶかわからないので、準備は不要です」

なるほど、斎藤先生ならそうに違いありません。斎藤先生の話しっぷりをご存じの方であれば、納得の回答でしょう。

ペットロスから子どもの権利条約

猛者ばかりが集まった対談に交じり、準備もせずにいったい私が何を話させていただいたのかと言うと・・・「ペットロスからはじまって、子どもの権利条約で終わる」お話です

そう書いても「一体何の話をしたのか、わからない。ペットロスと子どもの権利条約がどうつながるの?」と首をかしげる人がほとんどでしょう。私自身も、この話の流れを短いブログのなかでご紹介することはちょっと難しい、というのが正直なところです。

知りたい方はぜひ配信を

はてさて「ペットロスから子どもの権利条約」にいったい、どうつながるのか。知りたい方はぜひ、配信をごらんください。

①『ペットロス問題』ーペットへの愛着のあり方について(3/27公開) 
②『薬物依存の元』前編ー虐待と男尊女卑と薬物依存と(4/3公開) 
③『薬物依存の元』後編ー虐待と男尊女卑と薬物依存と(4/10公開) 
④『「子どもの権利条約」とは』ーこどもも一人の人間であるという当たり前の認識をもつこと(4/17公開)

上記の日程で無料配信となりますので、乞うご期待!

相談室ブログ,子どもに関する相談(問題)

12月に更新の記事で、‘親子カウンセリングを考えているけれど、子どもが同意しない場合’の対応について書かせていただきました。
今回は、実際にお子さんも同意した上で、カウンセリングを導入する場合の進め方についてご案内させていただきます。

初回は保護者様お一人で

お子様の年齢に関わらず、初回のご相談は保護者様お一人でお越しいただいています。
初回は今までの経過や現在お困りの事柄をお伺いし、問題整理と「何から話し合うと良さそうか」という優先順位付けをおこないます。

これはその後のお子様同席での話し合いをスムーズに、かつ効率よく進めていくための重要なステップです。
初回から親子同席ですと、この準備段階を踏めなくなってしまうため、カウンセラー側の状況把握が十分になされないまま、家庭での親子げんかが再現されてしまったり、あるいはお子さんが黙りこくってしまったりと、かえって非効率なことが多いです。

次のステップはお子様のみ

保護者の方からお話を伺った後、お子様にも個別でお話をお伺いしています。どんなにやりたい放題のお子さんであっても、本人なりの思いや考えがあり、子どもの立場から見た言い分があります。まずは親御さんがいらっしゃらない場で、本音を話してもらっています。

お子さんが「自分の気持ちもきちんと聞いてもらえる場なんだ」と感じ、安心感を持ってもらうことが、その後の親子カウンセリングの際の‘対立でなく、よりより関係を目指していこう’という姿勢につながります。

親子同席でカウンセリング

上記の準備段階を経て、いよいよ同席での親子カウンセリングです。すでに問題はある程度整理されてきていますので、カウンセラーが進行役となって、話し合うべきテーマについて双方の意見や思いを伺いながら進めていきます。

ご両親とお子様、あるいはそれ以外のご家族の方も含めてのカウンセリングを検討されている場合は、あらかじめカウンセラーにご相談ください。話し合う問題や状況にもよりますが、初めの段階から皆さんそろって進めるよりも、限定されたメンバーでスタートしたほうがスムーズに進むこともあります。

夫婦関係のご相談にも共通して言えることですが、このようなステップをあせらずに踏みながら進めていくことが、複数の方の関係調整をおこなうカウンセリングでは重要です。お困りの方は担当カウンセラーまでお気軽にご相談ください。

相談室ブログ,CAFICについて

新年が明けたと思ったら、もう1月も後半。年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。

早いもので、CAFIC立ち上げから今年で5年になります。コロナ禍での船出に大きな不安を感じた日々が、昨日のことのようです。

みなさまのおかげで順調にここまでやってくることができました。本当にありがとうございます。

男性のクライエントさんの増加

5年の間に、専門相談やミーティングの数は増え、ワークショップも定期的に開催し、従来のカップル・ファミリーカウンセリングの枠には収まらない、離婚相談もスタートさせました。

離婚するカップルが増える中で、子どもと離れて暮らす親との面会交流や、離婚条件の話し合いなどのニーズも高まってきました。この間、日本も単独親権から共同親権へと舵を切ったという大きな変化もありました。

「離れて暮らす子どもに会いたい」というご相談は本当に増えています。

離婚や面会交流の事案に限らず、最近は、男性のご相談者が増えています。私がカウンセラーになった頃は、クライエントさんはほぼ女性というのが当たり前でしたが、最近は男性の方も増えています。むしろ新規のお申し込みの方で言うと、男性の方が多いくらいです。

親子関係、子ども問題の相談も増えて

受験競争は加熱の一途をたどり、東京近郊では中学受験が当たり前になり、それらを巡っての親子関係の問題や葛藤も高まっています。
「改正」教育基本法(2006年)後、家庭教育の責任がどんどん重くなり、教育(養育)に関わる出費もうなぎ登り。経済的に困窮していない家庭でも、子どもにかけるお金の捻出に四苦八苦していることも少なくありません。

2002年から10年ごとに実施されている文部科学省の調査によると、発達障害の可能性のある小中学生は全体の8.8%にもなるといい(2022年)、学校に行かない不登校の小中学生は都内で3万人を超え、全国では35万人に迫る勢いです。

こうした中、親子関係やお子さんのことでご相談される方も増加傾向です。

大事な家族の一員である伴侶動物(ペット)にまつわるご相談も、忘れることはできません。

高まる「家族の悩み」のニーズ

「心の問題」にとどまらず、家族に関する悩みを抱えている方々のニーズがますます高まってきているように思います。

今後も、今まで以上に、その方らしい人生を取り戻すためのトータル・サポートが行えるよう、努力して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

相談室ブログ,子どもに関する相談(問題)

こちらのカウンセリングルームでは、親子間の関係調整についてのご相談を承っております。
お子さんが成人されている場合もお受けできますが、「思春期の子どもとの不和を解消したい」というお悩みを多くお聞きしますので、今回はその場合についてご説明したいと思います。

こんなときにご活用ください

思春期(小学校高学年~高校生)の時期は、自我が育ち、‘親とは違う個人である自分’という意識が強くなります。
自分の考えを主張することが多くなり、その分、親子間で意見が対立しやすくなります。

「親子だけで話すと感情的になってしまうので、第三者がいる場で冷静に話し合いがしたい」といった場合にカウンセリングを活用していただくのも一策です。

本人(子ども)の同意が必須

親子カウンセリングをおこなう場合、お子さん本人が同意していることが大前提となります。本人が嫌がっているのに「カウンセリングでも受けてあなたが変わらないとどうしようもないでしょう!」等と説得して連れてくる、というのはお勧めしません。

仮にお子さんがどんなに滅茶苦茶なことをしていたとしても、1人の人間として認めてあげて、その意見を尊重してあげる姿勢が大切です。
無理やり、あるいは行き先をはっきり言わずに騙すような形で連れて行くことは親子間の信頼関係にヒビが入りますので避けましょう。

本人不在でも対応可能

お子さんが同意しない場合は保護者の方のみでお越しください。
本人がお見えにならない場合は親子カウンセリングという形にはなりませんが、‘親として現状にどう対応していくべきか’をカウンセリングで考えていくことが、事態の改善への一歩となります。

お子さんの反抗が激しい場合や、家にこもりがち・外出困難な場合に「子どもが相談に行けるようになったら‥」と様子を見ていると、そのまま事態が長期化してしまうこともあります。
ご家庭で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。

心理相談は父母別々で

お子さんに関するご相談は、親御さんお一人(お母様・お父様のいずれか)でもちろん可能です。

ご両親での来室を検討されている場合は、別々の時間でお一人ずつお越しいただくことをお勧めしています。
カウンセリングは学校の面談とは異なります。ご両親それぞれの思いや考え方を率直にお話しいただき、必要であればご夫婦間の考え方をすり合わせていくことが、お子さんの問題解決につながることもあります。
初回は、とくにカウンセリングが必要と考えられている保護者の方お一人で、ぜひお越しください。その後の進め方を担当カウンセラーより提案させていただきます。

お子さん同席でのカウンセリングをおこなう場合、どのように進めていくかについては、また別の機会に改めてご紹介させていただきます。

相談室ブログ,ペットロス

9月、10月と続けて「ペットロスについて話して欲しい」と、メディアからの依頼を受けました。

ひとつは11月23日(土)18:05〜18:34放送の所さん! 事件ですよ 最愛のペットがよみがえる!?別れと出会いの最新事情(NHK) 。

もうひとつは三菱モルガンスタンレー証券のメンバー誌『Fortuna』(12月号)です。

今までも週刊誌やペットの専門誌で取材を受けたことはありましたが、ここにきてペットロスへの理解が進んだような印象です。

ペット(伴侶動物)は大切な家族

家族相談に取り組むCAFICでは、相談室立ち上げ以来、ペットロスやペットの看取りに関するカウンセリング、ミーティングにも力を入れてきました。

ペット(伴侶動物)は、かけがえのないパートナーであり、いつ、どんなときにも世話する人間を慕ってくれる子どもであり、大切な家族だからです。

そんなペットに先立たれた悲しみは、大切な人に先立たれたときと同じくらい、人によってはそれ以上のダメージになります。

動物であるがゆえに

人間の場合は、お通夜やお葬式、四十九日や一周忌などの法要があり、そこで慰めを得たり、思い出を語り合うことで悲しみの共有や喪失感を癒やすことができます。
一連の「死の儀式」は、死者への弔いとしてだけではなく、残された者が思う存分、泣き、悲しんで、とうてい受け入れ難い「死の現実」を受け入れるために重要な意味を持ちます。

ところが、ペットの場合は、それが動物であるがために、残された者が十分に嘆いたり、悲しみを共有したり、癒やしたりする場がありません。人間であれば当然得られるはずの慰めを得られないこともしばしばあります。
それどころか、「たかが動物じゃないか」というような心ない言葉を投げつけられることもあります。

立ち直ることができない痛手にも

我が子同然に愛してきた存在が、いつのまにか自分の年を追い越し、先に逝ってしまうーー。その現実を受け入れることはとても難しいことです。
愛着対象の喪失は、世界が崩壊するような絶望感と孤独感をもたらします。ときには、ひとりでは立ち直ることができないほどの痛手を負うこともあります。

番組をご覧いただくことで、その事実を多くの方に知っていただけたらと思います。

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相談室ブログ,子どもに関する相談(問題)

以前、「ゲーム依存を防ぐために、まずはご家庭でルール作りを」というテーマで書かせていただきました(こちらをご参照ください)。
今回は、それ以外の工夫について書いていきたいと思います。

「ゲーム以外の趣味がない」は要注意!

趣味をたずねられたとき、「ゲーム」と真っ先に答えるお子さんも多いことでしょう。
それ自体は問題ではないのですが、「ゲーム以外の好きなことは?」と聞かれたときに、悩んで出てきたのが「YouTubeで動画を見る」だけであったり、「他はない」「ゲーム以外はいつもつまらない」という話だとすると、カウンセラーとしては少し心配です。

‘好きなこと’はバリエーション豊かに

ゲーム以外に楽しいと思えること、身体を動かすこと・ものづくり系・何かを集める・絵を描く・生き物や鉄道‥どんなことでもいいので、何か好きな分野があり、‘それに関わっている時間は楽しい’と思える事柄があるとよいですね。

親御さんも無理のない範囲でそれらを一緒に楽しんだり、協力したり、ほめてあげたり‥ができるとさらによいでしょう。

今現在、お子さんがゲーム・ネット以外で興味のあることがなさそうであれば、家族の別の方の活動にそのお子さんを誘って、一緒に何かをおこなう、ということを始めてみてはいかがでしょうか。
「山にキャンプに行く」「川に釣りに行く」等というと大がかり過ぎるかもしれませんが、家でお子さんが好きな料理を作るのを手伝ってもらうですとか、地域のイベントに一緒に参加してみるとか、ちょっとしたことでも十分よいと思います。
デジタルな物から離れて楽しく過ごせる時間を少しずつ増やし、ポジティブな感情をご家族で共有することができるとよいですね。

ゲーム以外の楽しい時間が依存予防になる

大人の依存症にも共通する話ですが、「ストレス解消の方法が一つしかないと、その方法に依存しやすい」と考えられています。

子ども時代からさまざまな経験をし、物事に触れて、その中から興味・関心のある分野や活動を見つけられると、それが長期的にはストレスに負けにくいタフな心を育むことにつながります。

がんばって成果を上げなくてもよいですし、毎週通う習い事ほどコンスタントなものでなくてもよいと思います。ちょっとした‘好きなこと’を増やしていけるとよいでしょう。

相談室ブログ,その他

諸外国の人々に比べ、日本人の睡眠時間は短いと言われ、「睡眠負債」という言葉もあるくらいです。

そんな睡眠負債を抱えたおとなと暮らしている子どもも、その影響を受けずにはいられません。

たとえば、日本の乳幼児の就寝時刻の遅さを示す調査結果があります。なんと47%が、22時以降に眠るというのです(『東京新聞』24年8月6日)。

厚労省の「睡眠指針」

10年ぶりに厚生労働省が改定した「睡眠指針」は、小学生は9~12時間、中学生は8~10時間の睡眠が目安としています(『朝日新聞』24年4月22日)。

が、実際はどうでしょう。みなさんの周囲を見回してみても、こんなに眠れている子どもはあまり見かけないのではないでしょうか。

今、子どもたちは本当に忙しく暮らしています。1日の大半を学校で過ごし、帰宅後はたくさんの宿題をこなし、塾や習い事もかけもちしていたりします。

息抜きにちょっとゲームをやったり、Youtubeを見ようものなら、もう深夜です。

睡眠は脳の成長に不可欠

睡眠はおとなにも重要なものですが、子どもにはなおさらです。脳の成長に不可欠だからです。

睡眠中に分泌する成長ホルモンは、骨や筋肉の発達、免疫力の向上、傷ついた細胞の修復などを行います。

ところが、睡眠不足になると、成長ホルモンやメラトニンが分泌しにくくなります。
免疫力が低下するので、風邪をひきやすいなど、病気にかかりやすくなり、治癒も遅れます。

前頭葉の働きが低下するため、やる気や注意力が落ちたり、落ち着きが無くなったり、キレやすくなったりもします。記憶を司る「海馬」の大きさは、寝不足気味の子ほど小さくなるとも言われています

しっかり眠って成績アップ

生活の流れを変えるのはそう簡単にはいきまませんが、「睡眠は大事!」と肝に銘じるだけでも、違ってきます。

少なくとも「睡眠時間を削って勉強する」のはコスパの悪い選択です。まずはゆっくり眠ること。それが前頭葉の機能を活性化させ、成績を上げることにもつながります。