アートセラピーのご紹介
芸術の秋だから‥というわけではないのですが、今回はカウンセラーが心理相談の中で用いる手法の一つ、アートセラピー(芸術療法)についてご紹介したいと思います。
アートセラピー(芸術療法)とは
芸術表現には、それを作成した人の深層心理が現れる‥と考えることができます。また、創作活動そのものが、心を癒やすとも言われています。
‘アートセラピー’とは、芸術的な創作活動を伴う心理療法をひとまとめにしたカテゴリー名です。具体的な手法として、箱庭療法・コラージュ療法・絵画療法などが代表的なものとして挙げられます。
箱庭療法とは:木箱の中に箱庭療法専用の砂が入っており、その砂を動かしたり、ミニチュアを使ったりして、さまざまな風景や状況を表現することができます。
コラージュ療法とは:さまざまな写真やイラストの切り抜きの中から、ご自身が使いたいと思うものを選び、それを白い紙の上に自由に配置し、糊で貼っていきます。
どちらの手法も、ご自身でテーマを決めて作成することもできますし、ただ気持ちのおもむくままに作っていただいても結構です。
「そんなこと急に言われても、おとなの自分が取り組むのってちょっと抵抗がある‥」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に体験していただくと、ご自身の感覚をフルに働かせながらの作業に没頭し、楽しまれる方が大半です。
安全な場で表現することがこころを癒やす
私自身もかつて見習いカウンセラーをしていた頃に、ベテランの先輩カウンセラーに見ていただきながら、箱庭やコラージュを作り、どういう思いで作ったか、今どんな気持ちか、などを聞いてもらい、とてもスッキリした!という体験をしました。
ちなみにこの‘スッキリした!’という感覚は、心理学用語でカタルシスと言います。カタルシスは心の浄化作用とも言われています。言語化できないような心の奥のモヤモヤを芸術表現をとおして吐き出すことで、心がほぐれて軽くなるような‥そんなイメージでしょうか。
アートセラピーは、年代・性別を問わず興味をお持ちの方に広くお勧めできますが、その他にも「言葉で自分の感情とか漠然としたものを表現するのが苦手」「カウンセリングでうまく話せるかわからなくて不安」という方にも適しています。また、発語が少ない、あるいはカウンセリングにあまり乗り気でないというお子様にも、ストレスなく楽しみながら取り組んでいただけるので、おすすめです。
詳しくは担当カウンセラーまで、お気軽にご相談ください。