‘セルフ認知行動療法’を考える

相談室ブログ,心理療法カウンセリング

心理相談の場で用いられる手法を心理療法と言い、数え切れないほどたくさんの種類があるのですが、今もっとも世の中で知られているのは認知行動療法かもしれません。
うつや不安を軽減させる効果や、パニック障害や強迫症状の治療など、幅広く活用されています。

認知行動療法は自分でできる?

品揃え豊富な書店の「心理」本棚には、‘自分でできる認知行動療法’というようなタイトルの書き込み式ワークブックがたくさん並んでいます。こちらの相談室にいらっしゃる方から「少しでもラクになれればと思ってやってみた」というお話を伺うことも珍しくありません。

ですが、「やってみて効果が感じられた」とおっしゃる方は、(あくまで私個人の感覚ですが)全体の数割程度でしょうか。半数以上の方が「途中でやめてしまった」「進め方が合っているのかわからず、意欲が続かなかった」という結果のような印象です。

もっとも、見方を変えれば、「ワークブックで効果があったから、カウンセリングを利用する必要がなかった」という方もいらっしゃるとは思いますが。

‘自分を客観視’は難しい

認知行動療法は、簡単に言いますと「自分の考え方のクセと行動をふりかえり、見直していく」という手法です。多くのワークブックがこのような構成になっています。

①思考を書き出す(認知の整理)
②考えのクセをチェック
③別の見方を探す(認知の再検討)
④小さな行動を変容させていく

この手続きを進めるときに、「自分のことを客観的に捉えられる」ということが前提になっています。これが簡単なようでなかなか難しいように思います。

うつ傾向にあったり、不安が強い状態にある方が「客観視すること」や「バランスの取れた考えを探す」ことを求められるのは、至難の業とも言えます。

第三者の視点を借りる

セルフ認知行動療法が行き詰まりそうなときには、カウンセラーという第三者に傍で伴走してもらうのをお勧めします。
一人で考えているとぐるぐるとマイナス思考にはまってしまいがちですが、それを少し引いた視点から見ている人がいることで、自己否定の沼にはまらずに済んだり、進むべき方向が見えてきたりするのです。

ご自身で本を使って試してみたが、うまくいかなかった、という方が「認知行動療法は自分には合わない」と決めつけてしまうのは、カウンセラー側からすると「もったいないなぁ」という感じがすることがあります。
もちろん、これだけがカウンセリングの進め方ではありませんし、実際に他の手法のほうがしっくりくる方もいらっしゃいます。

セルフの心理療法がうまくいかなかった場合も、是非がっかりなさらずに、どのような進め方があるのか、担当カウンセラーとお話し合いされてみてはいかがでしょうか。

Posted by CAFIC池袋