不登校からの回復
先日、不登校について取り上げたNHKの番組を見ていたところ、かつて不登校だったけれど今は社会人になっている体験者として、私がだいぶ前にフリースクールのスタッフとして出会ったお子さん(今は立派な大人になっていました)が出演していて、大変驚きました。
当時、中学生だったその方にとってフリースクールという学校とは別の居場所があったことで、次のステップに踏み出せた、という旨を話されており、教員兼カウンセラーとして奮闘していた当時の自分、そしてそのとき出会った子どもたちを思い出し、胸が熱くなりました。
不登校生の居場所

フリースクールといっても多くの方があまりイメージできないかと思いますので少し説明しますと、かつて私が勤務していたのは民間の機関で、対象は小学校高学年から中学3年生、一つの教室に少ないときで5~6人、多いときで20人くらいが在籍していました。
学校に比べるとかなりゆったりとした時間割をスタッフが作り、子どもたちはそれに沿って勉強したり、かるく運動したり、集団での活動に参加したりします。
私は6年間、担任のようなかたちでクラスを担当させてもらったのですが、私の担当クラスはどういうわけか、毎年運動が大好きな子どもたちの集団になる、という不思議な現象が起きました。学校ではないので広い校庭はないのですが、1~2週に1回かそれ以上は近所の公園に行き、みんなで鬼ごっこやドロケイ・懐かしの缶けりなどをするのです。
子どもたちの力と‘回復’
ちなみに私自身はまったく体育会系ではなく、運動はからっきし苦手です。鬼ごっこでさわやかに汗をかく子どもたちを、公園の片隅でひたすら見守っていました。中にはもちろん運動が苦手な子もいますから、その子たちは無理に走る必要はありません。私とブランコでちょっとお話したり、一緒に植え込みの草花をながめたりしていました。
なぜか‘やたらと走りたがる’元気な不登校生たち。夏の日差しの下でも、凍えるような冬の日にも、びゅんびゅん風を切って走り、童心に返って「だるまさんが転んだ」や「花いちもんめ」をしたり。そんな日々を繰り返していると、以前は見学組だった子がいつの間にかドロケイに加わっていたり、「走らなくても大丈夫な新しい鬼ごっこを考えてやってみたら結構楽しかったよ」という、謎な遊び方の報告があったりして、気がついたら子どもたちは皆どんどん元気になっていくのです。
今、思うこと
その後、私は個別カウンセリングを主とする臨床現場に移ってしまったのですが、今、あの時期のことを思い出すと、一旦エネルギー切れ状態で学校に通えなくなった子たちが、どれだけ内面にエネルギーを秘めていることか、そして自分たちで元気になっていく力を持っているのか、ということを教えてもらった気がします。
令和の世になり、さらに年々増加する不登校の子どもたちも、一人一人が安全な居場所を見つけられるようにと願ってやみません。そして、私自身も、今は以前とは役割は異なりますが、思春期の揺れる子どもたちに寄り添い、次のステップに向かうお手伝いをしていきたいと改めて思っています。
Posted by 梶原真弓












