コロナのなかでどう生きるか

2020年6月16日

COVID-19

緊急事態宣言や東京アラートは解除されても、コロナ不安はなかなか払拭されません。「いつ第二波が来るのか」と家から出られず、「外はコロナがいっぱいだ」と怯え、外出した家族を「コロナを持ち込むのか」と責める。・・・そんな話も耳にします。

前にも書いたように、対象がはっきりしている恐怖とは違い、不安という感情は何をやっても、どんなことをしてもつきまといます。

漠然と不安を抱えるのではなく、

①いったいコロナのどんなところが、どんなふうに怖いのか
②それについて客観的な対処方法があるのか
③自分はそういった対処法を取っているのか

などと恐怖の対象について具体的に考え、書き出してみましょう。

苦手な上司への対処方法と一緒

叱責

たとえば苦手な上司への対処方法などと一緒です。ただ「あの上司は怖い」「どうにか会わないように過ごしたい」と思っていると、「もし、ああだったら」「次にこんなことをしたら」などという妄想ばかりが広がって、不安はどんどん増すばかりです。

そんな事態を避けるには、「自分は上司のどんなところが怖いのか」をはっきりさせ、恐怖を取り除く具体的な方法を考えることが有効です。

たとえば「時間に厳しい」上司なら、遅れないためにはどんな努力をすればよいのかを考えます。「口が悪い」上司なら、その上司は自分にだけそんな口調なのか、などと考えてみることで、上司へのとらえ方が変化したりもします。

「コロナとどうつきあうか」

そもそもこれだけ世界中に蔓延しているコロナです。「自分だけは絶対に触れないで過ごそう」とすること自体がナンセンスかもしれません。

私たち人類は、過去にも多くの感染症や破滅的な戦争を乗り越え、生き延びてきました。

その現実を踏まえたうえで、確実に私たちの身近にあり、いつ、だれが、どこで感染してもおかしくないコロナと「どうやってつきあっていくのか」。そういった見方に転換してみるのも、コロナ不安から抜け出す一助にはならないでしょうか。

リフレーミング(reframing)

このように物ごとを見る枠組み(frame)を変えて、別の枠組みで見直すことを心理学の世界では「リフレーミング(reframing)」と呼びます。

逃げようとすればするほど、得体の知れない不安は追ってきます。だったら逃げるのではなく、いっそのこと「それと共にどうやってやっていくか」と考えるのも、ひとつの方法です。

何も特別な話でありません。他の病気や災いと同じことです。

「病になったから不幸」とうつうつと過ごすより、「病と共にいかに豊かに生きるか」と考え、自分らしい人生を選び取って行く。そのほうが人は何十倍も幸せに暮らしていけますし、幸福感は免疫力も高めます。

もしかしたら、それがコロナに負けない人生につながるかもしれません。

Posted by 木附千晶