相談室ブログ,CAFICについて,夫婦の問題離婚面会交流

新しく「離婚に関する相談」をスタートさせます。

その理由は大きく分けて次のふたつです。

①「第三者を交えて離婚に向けた話し合いをしたい。関係修復のためでないと、相談室を利用できないのか」
という問い合わせが増えてきたこと。
②かなりこじれた状況になってから、カップルカウンセリングとして申し込んでこられるケースが増えていること。

法的手段や行政相談は「争い」に発展しがち

とくに気になったのは、②のケースです。
そういった方々は、行政相談や弁護士相談、裁判所を利用していることも少なくありません。
それが思いのほか、事態をややこしくしています。

どれほど最愛の相手であっても、「離婚」の文字が頭をよぎることはあるはずです。
そんなとき真っ先に浮かぶのは法律を使った解決法でしょう。円満調停というものもありますが、法的手段や行政相談を使うと、どうしても「争い」に発展してしまいがちです。

裁判所に提出する書類は「自分は正しく、相手は間違っている」という攻撃モードで書かざるを得ず、「女性のための相談」といった類いの窓口では、「夫の言動はDVか」という話になりやすいからです。

あるクライアントさんは、「無料なら、ちょっと夫の愚痴を聞いてもらおう」と、行政の相談窓口に電話をしたら、「(DVだから) すぐに避難しろ」と言われ、慌てて電話を切ったと話していました。

得た知識が関係悪化を助長

私が知る限り、「夫婦のコミュニケーション改善」を目的とした公の相談窓口はありません。
夫婦そろって相談できる場もありません。
どこの窓口でも、関係修復という話にはなりにくく、何より「子どもの成長発達の場としての両親」という視点での支援が手薄です。

相談窓口で得た知識が関係悪化を助長してしまうこともあります

たとえば、「子どもを相手に取られたくない」と親権争いが勃発したり、片方の親がもう一方の親に内緒で子どもを連れて家を出たり(いわゆる「子どもの連れ去り」)。

「離婚成立までは別居親と子どもを会わせないほうが良い」とのアドバイスに従ったがために、二人での話し合いが難航したり、愛しているからこそ「相手に変わってもらうヒントが欲しい」とDV 相談を受けたことで夫婦の間に溝ができてしまったり・・・。

関係修復に行き着くケースも

こうしたお話をうかがうたびに、「もっともっと手前で、カップルカウンセリングに来ていただけていたら」と思いました。 せめて、「争わない離婚に向けた知識や、 離婚が子どもに与える影響を知っておいていただけたら」とも思いました。

「離婚」が頭に浮かんだときに、 公の場でも、法律の場でもない、夫婦が客観的に話し合える場所が必要ーーそんな思いで「離婚に関する相談」をスタートさせました。

もちろん「離婚について話合ううちに、関係修復に行き着いた」というケースもあります。 気負わず、お気軽にご相談ください。

離婚に関する相談

相談室ブログ,CAFICについて,自助グループミーティング

現在、CAFICで行っている自助グループのなかで、一番新しいにもかかわらず、最も盛況なのが「CLUBみなしご 集まれ天涯孤独!」です。
毎回のように新しい参加者が訪れてくださっています。

みなしご“予備軍”の人も

みなさんインターネット検索で入ってこられるようです。おそらく「みなしご」というキーワードで検索することは少ないと思います。きっと「介護」「離婚」「墓」や「孤独死」等々を見ているうちに、たどり着いているのではないかと推測されます。

参加者は必ずしも「現在、まったく血縁者のいないみなしご」の方だけではありません。

「これからみなしごになることが分かっている」人や、親族やきょうだいという“立場”の人はいても、連絡も取っていない人たち。「いざとなっても頼る人がいない」“予備軍”も多くいます。

あえて共通項を上げるとしたら、「みなしご」と聞くと、思わず「ハッチ」と答えてしまう世代ということでしょうか。

「いかに生きていくのか」という不安

「おひとり様の老後」が話題になる昨今、「おひとりさま信託」を売る金融機関や、身寄りが無いまま亡くなったときに手続きを代行するNPO法人なども少なくありません。

しかし、「CLUBみなしご」に参加して思ったのは、みなさん「必ずしも“老後”や“死後”が気になっているわけでもない」ということです。むしろ、「どうやってひとりで生活していくのか、衰え続ける自分と向き合いながら日々の困難を乗り越えていったらいいのか」ということを気にされているように思います。

ごく簡単に言うなら、「いかに死ぬか」ではなく「いかに生きていくのか」という不安を抱えているということです。

孤独でさみしい大仕事

医療も進み、60代・70代になっても、まだまだ動けるし、やれることもあります。一方で、体は若い頃のような元気さは無くなり、健康問題も含めて、いろいろなトラブルに見舞われやすくなります。

そんなときに、身近に頼れる人がいなければ、何から何までひとりで考え、選び、決めていかなければなりません。お金だってかかります。人間関係があれば頼めることも、お金で解決するしか無くなるからです。

自分のことを気にかけて、心配したり、ねぎらったりしてくれる人はいなくなって、ちょっとした困りごとを話す相手もいなくなります。

「すべてを自分でやらなければならない」・・・それは本当に、孤独でさみしい、大仕事です。

みなしごが緩やかにつながる関係

そんなみなしごたちがどうにかして緩やかにつながる術は無いものか。

施設等に入ったときのように、一方的にケアされ、施設に合わせた生活を送るのではなく、自分らしい生活をできるだけ続けながら、ひとりでは難しいことを「ちょっとだれかに助けてもらう」・・・そんな関係をつくっていくことはできないだろうか。

「CLUBみなしご」に参加しながら、妄想の翼を広げています。

相談室ブログ,CAFICについて,心理療法カウンセリング

「私は人格障害なのではないか」
「パートナーは発達障害なのではないか」
「同僚はうつになったのではないか」
「これは〇〇障害の症状なのか」

・・・最近、そんな疑問の答えが欲しくて、カウンセリングに来られる方が増えたような気がします。

情報が簡単に集められる昨今

インターネットで案単に情報が集められる昨今。精神疾患や人格障害についても、専門家から当事者(を名乗る人)まで、動画やスライドなども駆使して、懇切丁寧に説明しているサイトがたくさんあります。
なかにはフローチャートやチェックリストで自己診断ができるようなものもあります。

「××なことがある」と尋ねられれば、だれしもある程度思い当たることはあるもの。そもそも、自分のある傾向や不便さに悩んで検索しているので、自分と重なることが目につきやすくなります。

ネット情報の危うさ

でも、こうした情報は、たとえばある精神疾患の症状のほんの一部を切り取っているものだったり、「一面的な見方をすれば」というものだったり、「こういうふうにも考えられる」というひとつの考え方に過ぎなかったりします。

また、そのサイトを読んでいる人の受け取り方にも大きく左右されます。

たとえば「うつ」という言葉一つとっても、それが抑うつ状態を指しているのか、いわゆる大うつ病のことなのかもよくわからない記述があったりします。
抑うつ状態は多くの精神疾患や人格障害に共通の症状でもあります。

症状は「記憶」の産物だった

かつてのクライアントさんに、周囲から統合失調症を疑われている方がいました。「亡くなったはずの親が自分をいつも見ている」とか「人混みにいるといろいろな声が聞こえてくる」などという、幻聴や幻覚ともとれる訴えから、そのように判断されていました。

しかし、その方の生育歴を丁寧に聞き、幻聴の内容や、どんなときにそれが生じるかなどを聴き取っていくと、親からの激しい虐待に由来する「記憶」によるものであることが明らかになっていきました。

過酷な子ども時代を生き延びるために、常に親の顔色をうかがい、あちこちアンテナを張り巡らしてひとつの物音も聞き洩らさないようにしてきたことが原因でした。

カウンセリング機関としての使命

心の問題や発達障害が広く知られ、だれでも情報を得られるようになったことは歓迎すべきことです。でも、一方で簡単にカテゴライズできるようになって、「××があるから〇〇病」と、周囲も本人も、安易にラベリングしてしまう危険性もあります。

そうなると逆に、本当に必要なケアやサポートが受けにくくなってしまうことも起こります。
そんなことにならないため、カウンセリングは身近で利用しやすいものでないといけません。ていねいにお話をうかがいながらの情報提供。それもまたカウンセリング機関としての使命なのだと感じる、今日この頃です。

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ご自宅にいながら相談を受けていただけるオンラインカウンセリング。
コロナ感染対策という観点から、あるいは遠方にお住まいの方や移動時間を節約したいという方、また電車等での移動が苦手という方にも広くご利用いただいております。

ご検討いただく際には、あらかじめ以下の点をご留意いただけますと幸いです。

オンラインでのご相談は、個人(1対1)でのご利用となります

カップルカウンセリングなど複数名でのご相談は対面に限らせていただいております。
遠方にお住まい等やむを得ないご事情がある方はお問い合わせください。

お子様(成人の方も含めて)のカウンセリングを保護者様が申し込まれる場合

初回は保護者様のみでお話いただくことをお勧めしております。お子様が説明できる年齢であっても、メンタルのコンディションが思わしくない場合は、今までの経過や状況などを十分に説明できない場合があるためです。

初回相談の中で、2回目以降どのように進めていくか決めていきます。場合によっては、相談時間を分割して、お子様と保護者様それぞれからお話をお伺いすることもあります。その際には、それぞれお部屋から退出していただき、お一人ずつ順番にお話しいただいています。

カウンセリングは、できるだけ本音で、ありのままの感情でお話いただいたほうが回復・改善に向けての展開がスムーズになります。
また、相談中のご家族の方の言葉や話の内容を別の方が聞いて傷ついてしまったり、
「自分が家族にこんな迷惑をかけているんだ」
と罪悪感を抱いてしまったり、といったリスクを避けるという意味でも個々でお話いただく形が望ましいと考えております。

お子様の相談に限らず、ご本人様以外のご家族の方がオンラインカウンセリングをお申込みいただく場合も同様です。あらかじめご承知おきいただけますと幸いです。

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「ものすごく大胆な構図と独特な色使いで絵を描く子がいるの! もしかしたらすごい芸術家になるかも!?」

あるとき、小学校で図工を教えていた友人が、新一年生の男の子のことを興奮気味に話してくれました。その子は、たとえば太陽を白で星ようなかたちに描き、海を黄色で塗ったりするというのです。

“常識”は現実からかけ離れている

多くの場合、私たちは、太陽は赤やオレンジで丸く、海は青で描くのが“常識”です。嵐の海を黒っぽく塗ったり、柔らかい日差しを黄色で表現することはあるかもしれませんが、せいぜいその程度です。

でも、本当に太陽は、海は、そんな色や形をしているでしょうか?

確かに沈む夕日は燃えるような赤やオレンジになることがありますが、昼間の太陽は違います。強い熱を放つ太陽は丸というよりも、少し尖った印象を受けたりします。強い日差しに照らされた海は、青というよりも黄金色の輝きを放っていたりします。

「見たまま、感じたまま」

それを紙の上に現そうとすれば、私たちが通常描く“常識的な絵”は、現実からかけ離れています。きっと男の子は、「目に見えた風景」「自分が感じた景色」を素直に表現したのでしょう。

本当の自分を見失っていく

ところがそれから半年もしないうちに、友人はがっかりした表情を見せました。

「あの子の絵、だんだん普通になってきちゃった。他の子と同じような絵しか描かなくなってきちゃったの」

学校では「こうあるべき」を教えられるし、他の子と違えば目立ち、ときに笑われたり、いじめの対象になったりします。
「みんなと同じ」でいるほうが、学校では過ごしやすいのでしょう。だけどそれは、自分を見失うことでもあります。

感情よりも思考を優先させ、理性で欲求を抑えているうちに、「自分がどうしたいのか」や「何を望んでいるのか」が分からなくなり、喜びや楽しみも薄れてしまったりします。

心を解放し、五感で感じる

でも、あなたの中の感性豊かな子どもはいなくなってしまうわけではありません。出番を待ちながら、ひっそりと隠れているだけです。「いつか気付いてくれるかも」と、あなたを待っているのです。

そんな“あなたの中の子ども”をもう一度、呼び起こしてみましょう。
その子は、無意識の世界への案内人です。今まで見えなかったものを見せてくれたり、気付かなかったものに触れさせてくれたりします。いくら頭で考えても分からなかったことを教えてくれたりします。

その力を借りて、心を解放し、五感で感じてみましょう。そして、本来の自分を取り戻していきましょう。

箱庭ワークショップは、その手伝いをしてくれます。

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認知行動療法を用いたカウンセリング

気分が鬱々としがちな方に有効とされる認知行動療法。
近年、テレビやインターネット上の情報としても取り上げられることが多くなり、より注目が集まってきています。

認知行動療法は、認知療法と行動療法という、元々は別にあった二つの心理治療の方法を掛け合わせて、言うならば‘良いとこ取り’して生まれてきた、比較的新しい手法です。
ここ20~30年で急速に広まり、今や欧米での心理治療の主流になっているとも言われています。

実際にこちらの相談室で用いる場合の大まかな流れについてご紹介します。

初回のご相談では

まずは、ご相談者様のお困りの事柄や今までの経緯などをお聞きします。
困っていらっしゃる事柄にアプローチする方法として、認知行動療法がもっとも適切かどうかについて検討します。

ご相談内容によっては、認知行動療法以外の方法についてご案内させていただくこともあります。
たとえば、「自分の生き方について考えたい」という漠然とした大きなテーマの場合、あるいは、対人関係や家族・子育ての問題などについて対応を具体的に考えていくことが優先課題と思われる場合などは、認知行動療法は用いず、通常のカウンセリングとして進めていくことをお勧めします。

認知行動療法の進め方

日常生活の中で気分がネガティブな方向に揺れ動きやすいエピソードを挙げていただき、それについてさまざまな角度からの「検証」をおこないます。

「検証」とは、ご自身の感情がどう揺れ動くのか、その背景にはどのような考え方があるのか、その考え方のメリットとデメリット……等々について、詳しく掘り下げていく作業になります。
そのプロセスを可視化するためのワークシートや、考え方のクセを振り返るためのチェックリストを用いることもあります。

認知行動療法でめざす回復・改善とは?

このような作業を何回か繰り返しおこなっていくことで、今までは
「自分では手に負えないような感情の揺れ動きや落ち込み」
であったのが、
「自分で自分の感情を客観的に捉えられる・コントロールできる」
という感覚に近づけていきます。

認知行動療法は、「カウンセラーに変えてもらう」でなく、ご相談者様ご自身の気づきを通して、よりストレスの少ない、柔軟な考え方に無理なくシフトチェンジしていくための手法です。

その作業をお一人でされるのはなかなか大変だったりしますので、カウンセラーは作業を一緒に進めていくガイド役、というイメージでしょうか。
(自分でできるという書籍は多数出ていますが、あまりうまくいかなかった・途中で挫折したというお話もちらほら耳にします)

他のどの心理療法もそうであるように、認知行動療法もオールマイティではありませんが、うまく使うことで効果が実感しやすい方法でもあります。
(前述のとおり、ご相談内容によってはあまり適さないこともあります)

興味のある方・ご検討中の方は、お気軽にカウンセラーまでご相談ください。

こちらのサイトにも情報がございます。
認知行動療法を用いた心理相談
・メンタルヘルス専門相談

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最近、男性のご相談が増えている印象があります。
夫婦間、カップル間で問題を感じているという場合でも、女性よりも男性がファースト・クライエント(最初の相談者)として登場するということも珍しくなくなってきました。

一昔前は、カウンセリングを利用するのは女性が圧倒的。
男性の多くはカップルカウンセリングやファミリーカウンセリングでさえも参加したがらない、ということがよくありました。

妻や母親と呼ばれる立場の人が、どうにかして夫・父親をカウンセリングに引っ張ってこようとするも、なかなか実現しないということがよくあったのです。

逆に、男性(夫や父親)が登場すると、そのカウンセリングは劇的な影響を受け、家族の風通しも良くなり、凝り固まっていたものが動き出すなど、大きな変化が期待できたものでした。

男性の家事・育児への理解は深まっても

ところが最近は、男性がまずご相談にやってくるのです。
その様子を見ていると、もしかしたら、日本の男性が

「男は弱音を吐いてはいけない」
「男は強くなくてはいけない」

などの“男らしさの病”から解放され、新しい生き方を獲得しつつあるのではないかという期待もあるのですが、現実生活では難しいところもあるようです。

それを実感したのが、つい最近、都が発表した『男性の家事・育児参画状況実態調査』(21年度)調査結果です。
これは、都内在住の18〜69歳の男女を対象に働き方の変化と家事・育児への影響などを尋ねています。有効回答数は5000人で、うち2000人は未就学児の子を持ち、配偶者と同居する男女でした。

前回(19年度)以後、新型コロナウィルスの感染拡大により、在宅が増え、男女ともに家事・育児に取り組みやすい環境になりました。

事実、配偶者がいる男女の40%が、平日の在宅時間のうち仕事以外に使える時間が「増加した」と回答。仕事以外に使える時間が増えた人のうち、男性の65.5%が「家事・育児に対する理解が深まった」と答えたそうです。

ところが、子育て世代男女の週全体平均を見ると、1日あたりの男性の育児時間は2時間23分(19年度)から2時間15分(21年度)にダウン。女性は6時間9分(19年度)から6時間10分(21年度)に微増しました。

育児以外の家事等も含めた21年度調査の週平均は、男性が3時間34分、女性は8時間54分で、その差は5時間20分です。19年度調査に比べて男女差は19分拡大しました。

つまり、

「家にいる時間が増加して男性の家事・育児への理解や関心は高まったが、実際にはやらないまま。逆に、家にいがちな家族のため女性の家事時間が増えた」

ということなのではないでしょうか。

取り返しのつかないことになる前に

これでは、女性のイライラ、夫婦間衝突、不和が増えても不思議はありません。
「どうして私ばっかり」と、女性の喪失感は募るばかりです。

もちろん、こうした状況をつくったのは、男性個人の問題ではないでしょう。
長年、日本社会がつくってきた働き方の問題、世間が向ける男性への目、性役割の固定概念など、いろいろな理由がありそうです。

かつて男性は企業戦士などと呼ばれ、「24時間戦えますか?」という栄養ドリンクのCMがはやるほど、「夫は仕事、妻は家庭」が当たり前とされていました。それらは日本社会全体の問題です。

しかし、「社会の問題だから」と看過していたら、夫婦関係は取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
夫の側は「うまくいってる」と思っていても、妻は内心、「不満や怒りでいっぱい」になっているかもしれません。

我慢したもの、ため込んだものが噴出したときほど、恐いものはありません。お互い思うことは、相手に伝わる方法で吐き出しつつ、上手に落としどころを探していきたいものです。

それには、まず、自分が何を感じ、考えているかを知り、よいコミュニケーション方法を探すことが重要です。

CAFICでは、こうしたみなさんのニーズに応えるため、カップル・カウンセリングや「もうひとりの自分”と出会うーー自己理解の勧め」なども用意しています。男性のみなさんも、ぜひご参加ください。

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芸術の秋だから‥というわけではないのですが、今回はカウンセラーが心理相談の中で用いる手法の一つ、アートセラピー(芸術療法)についてご紹介したいと思います。

アートセラピー(芸術療法)とは

 芸術表現には、それを作成した人の深層心理が現れる‥と考えることができます。また、創作活動そのものが、心を癒やすとも言われています。
‘アートセラピー’とは、芸術的な創作活動を伴う心理療法をひとまとめにしたカテゴリー名です。具体的な手法として、箱庭療法・コラージュ療法・絵画療法などが代表的なものとして挙げられます。

箱庭療法とは:木箱の中に箱庭療法専用の砂が入っており、その砂を動かしたり、ミニチュアを使ったりして、さまざまな風景や状況を表現することができます。

コラージュ療法とは:さまざまな写真やイラストの切り抜きの中から、ご自身が使いたいと思うものを選び、それを白い紙の上に自由に配置し、糊で貼っていきます。

どちらの手法も、ご自身でテーマを決めて作成することもできますし、ただ気持ちのおもむくままに作っていただいても結構です。

「そんなこと急に言われても、おとなの自分が取り組むのってちょっと抵抗がある‥」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に体験していただくと、ご自身の感覚をフルに働かせながらの作業に没頭し、楽しまれる方が大半です。

安全な場で表現することがこころを癒やす

 私自身もかつて見習いカウンセラーをしていた頃に、ベテランの先輩カウンセラーに見ていただきながら、箱庭やコラージュを作り、どういう思いで作ったか、今どんな気持ちか、などを聞いてもらい、とてもスッキリした!という体験をしました。

ちなみにこの‘スッキリした!’という感覚は、心理学用語でカタルシスと言います。カタルシスは心の浄化作用とも言われています。言語化できないような心の奥のモヤモヤを芸術表現をとおして吐き出すことで、心がほぐれて軽くなるような‥そんなイメージでしょうか。

アートセラピーは、年代・性別を問わず興味をお持ちの方に広くお勧めできますが、その他にも「言葉で自分の感情とか漠然としたものを表現するのが苦手」「カウンセリングでうまく話せるかわからなくて不安」という方にも適しています。また、発語が少ない、あるいはカウンセリングにあまり乗り気でないというお子様にも、ストレスなく楽しみながら取り組んでいただけるので、おすすめです。

詳しくは担当カウンセラーまで、お気軽にご相談ください。

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子どもの教育・育児方針の違い、家事分担の不平等感、金銭感覚の差、お金の使い道、不倫・不貞行為や暴力、ギャンブル・飲酒問題等々、さまざまな問題を解決しようと、多くの方がカップルカウンセリングをご希望されます。

表面化する問題は十人十色。カップルの数だけありますが、そのほとんどはコミュニケーションの問題に起因しています。

夫婦のあり方に正解はありません。
たとえ、どんなに大きな障害があろうとも、お互いを尊重しながら話し合って“落としどころ”を探していければ問題は解決していけます。

自分の常識が相手には非常識のことも

しかし、それが思いのほか難しいのです。
人にはそれぞれ、その生育過程で身につけた考え方や価値観、正義などがあります。相手もまた然り、です。
自分にとっての常識が、相手にとっては非常識と思えることもあるし、優先順位がまったく違うということもあります。自分は「当たり前」の言語が、相手にはちんぷんかんぷんということもあります。

できるだけ冷静に話そうとするあまり自分の思いを語れていなかったり、逆に感情的になりすぎて相手に響かないことがあります。十分に言葉を尽くしているつもりなのに、相手にはまったく伝わっていないこともあります。

「自分の方が正しい」「大切な人だからこそ理解して欲しい」「相手に変わって欲しい」と思うのは、ある意味当然です。しかし、それを主張し、押し通そうとしたら、行き詰まるだけです。
たとえ一時的にどちらかが折れ、その場をしのいだとしても、不満の火種はくすぶり続けます。これが、何かのきっかけで燃え広がることもよくあります。

カウンセラーの役割

カップルカウンセリングでは、カウンセラーはどちらが「正しい」「間違っている」というようなジャッジはしません。どちらか一方に肩入れするというようなこともありません。

先ほども述べたように、夫婦のあり方に正解は無いからです。

カウンセラーは家族の一員のようにその場にいて会話に参加し、まったく違う価値観・視点を持った第三者として機能します。ふたりでは見落としていたことや通り過ぎてきたことを指摘したり、すれ違ってきた言動を翻訳したり、今までとは別の方法や見方を提示します。

そうして夫婦がお互い歩み寄り、ゴールイメージを共有し、お二人らしい夫婦のかたちを探すためのコミュニケーションをサポートしていくのです。

個人カウンセリングを勧めることも

このプロセスの中で、各々の生育歴やもともと抱えているものの存在が大きく、二人がよりよいコミュニケーションを取り、よい関係性を築いていく作業の妨げになっているように感じたときは、個人カウンセリングのなかで、各々の問題を解決していくことをお勧めすることもあります。

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CAFIC(ケフィック)では、情緒の不安定さ・不登校・対人トラブル・その他さまざまな問題行動など、お子さんに関するお悩み全般をお受けしております。
発達特性についてのお悩みの場合、検査をおこなうことも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

お子さんにカウンセリングが必要かも‥?と思ったときに

こちらのカウンセリングルームでは、まず保護者の方のみ初回相談としてお越しいただくことをお勧めしております。
なぜかと言いますと、お子さんと一緒にお見えになった場合、お子さんの前で保護者の方のご相談内容をお話いただく形になってしまい、これがお子さんの心のケアとしては良くない影響を及ぼす場合があるためです。

保護者の方のご相談内容を傍にいるお子さんが聞くことで、「お母さんは自分のせいでこんなに困っているんだな」と委縮してしまうこともあります。
あるいは、お子さんの思いとは異なる説明があったとして、お子さんがそこで言い出せなかった‥というような場合、結果として、親御さんのお話を共感的に聞いているカウンセラーに対して不信感や反感を持ってしまう‥といったことも起こりうるのです。

カウンセリングをより効果的にご利用いただくために

お子さんが同席の場では、カウンセラーから保護者様に対して踏み込んだ内容の質問がしにくかったり、具体的な助言がしにくかったりすることもあります(「お子さんにこう関わってみてはどうですか」という内容をご本人の前では言いにくいですし、ご本人が知ってしまうと効果が半減することもあります)。

お子さんにまつわる困りごとは、保護者の方の関わり方を工夫することが解決・改善の近道になる‥ということもありますので、そのような意味合いでも、保護者様のみでお越しいただく時間を貴重な機会として考えております。

ただし、お子様の年齢やご様子によっては一人で家に残しておくのが心配である等、それぞれのご事情があるかと思いますので、上記の限りではありません。まずはご相談内容をお知らせいただき、最善の対応方法をご一緒に検討させていただければと思います。