信頼できる人は必要?

2023年11月16日

CLUBみなしごで話題になるものの1つに、「みなしごの私たちには身近な信頼できる人が必要?」というものがあります。

CLUBみなしごに集まる方たちは、親兄弟、子どもがいない、頼りにできる親戚縁者がいない、いたとしても縁を切っているという境遇です。当然ながら、誰かに看取りを期待することはできません。無論、介護や看護も亡くなった後も同様です。

だからこそ、信頼できる人が身近にいてくれれば、闘病や死後の手続なども安心だと考えるのはごく自然なことでしょう。

「死後事務」とは

葬儀やお墓のこと、電話の解約や役所への手続など、いわゆる死後に必要な手続きを「死後事務」と言います。よく耳にする「遺言書」の執行は、法的効力があるのは財産だけです。
「死後事務」は、弁護士や司法書士などが、生前に委任契約を結んで手続きを代行してくれます。これらの死後事務と遺言書の違いなどはあまり知られていません。

横須賀市では、「わたしの終活登録」というカードに、エンディングノートの保管場所、臓器提供の意思表示、葬儀や遺品整理などについて必要な事柄を記入すると、市が保管するという行政サービスがあります。カードは厳重に保管され、その内容は医療機関や警察、生前に本人が登録した連絡先にしか伝えられません。

つまり、市が「死後事務」をするのでなく、登録した連絡先に連絡が行く(みなしごの場合は、信頼できる人?? そもそも誰を連絡先にする?)というシステムです。

たとえば、子なし・親族なしの未亡人(みなしご)が、孤独死した場合、自治体が火葬してくれる可能性は高いですが、夫の墓の場所を探し出し、妻の遺骨を納めることは難しいでしょう。エンディングノートに「通帳のお金で火葬して、無縁仏にしてください」と記して孤独死しても、自治体は預貯金を引き出すことはできないのです。
このため、横須賀市でも「わたしの終活登録」カード登録の際には、聴き取りをして、みなしご(=身寄りがない人)には第三者に死後事務を委任するように促しているそうです。

ひとりで死んでいくみなしごたちへf

よく、「人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」と言われます。

しかし、生まれたときには、必ず傍らに母親がおり、助産婦や医師が付き添っていることでしょう。そうでなかったとしても、赤ちゃんは人の手で育てられるはずです。

孤独死の場合、警察の検視の後、死亡が確認され、戸籍や契約書などの公的書類を頼りに警察が近親者を探します。身寄りや引き取り手が存在しない場合、自治体が火葬し、官報に告知します。それでも引き取り手がいない場合は無縁納骨堂などで保管されます。

結局は自治体が処理してくれるという考え方もあるでしょう。残したお金は国庫となります。

みなしごを生きるための知識、交流、悩みや心配の共有、ネット上(リアルでも)での信頼できる人探しを目指しています。

Posted by CAFIC池袋