カウンセリング

2020年4月13日

カウンセリングと心理療法

「カウンセリングは何となく分かるけれど、心理療法ってなに?」と思われる方も多いかと思います。

心理療法とは、問題解決や症状の緩和をめざすときのベースとなる考え方(理論)・手法(技法)・流派のことです。

臨床心理士・公認心理師によるカウンセリング・心理援助はこうした学問を基礎にして、ケアや支援全般を行っていきます。

それが、たんなる人生相談との大きな違いです。

※関連ブログ「相談機関の活用法① 〜精神科orカウンセリング?〜リンク

CAFICで行う統合的心理療法とは

今や数百もの種類があると言われる心理療法。
CAFICでは、これらの心理療法をご相談者の問題や症状、ご要望などに合わせて選び、組み立てて、統合的に使う、「統合的心理療法」を行っています。

以前は、
「何か一つの心理療法に立脚してご相談にのっていく」
というスタイルが主流でした。しかし近年では、ご相談者のニーズに合わせて、いくつもの理論や技法を織り交ぜて用いるようになってきました。

それによって、ある一つの療法ではカバーできなかった部分を補ったり、必要なものを取り入れたりしながら、柔軟でその人らしい解決への道を探しやすくなったと言えるでしょう。

統合的心理療法では、ご相談者のニーズをくみ取りながら、どのように見立て、どの部分に、どんなときに、どの心理療法を用いるのかなどを絶えず考えながら行っていきます。

子どもの不登校を例にすると

以下に一つの例を示しましょう。
たとえば、「子どもの不登校」を主訴に来室されたご相談者様のケースです。
ご相談者様から見た当事者(不登校の子ども)が相談の場に登場するまでには時間がかかります。しかし、ご相談者様を通して家族関係を変えていくという家族療法のスタイルを取れば、対処は可能です。

こうした場合のひとつのアプローチ例としては、まずはご相談者様自身の家庭環境や家族歴等をおうかがいしながら、精神分析的な見立てを行います。
そのなかで「ご相談者様がある考え方にとらわれていて苦しい」という状況がおありでしたら、たとえば認知行動療法を用いてもう少し楽になれる考え方を探していきます。

そのプロセスで言語化が難しいと判断させていただいた場合には、芸術療法を用いることもできるでしょう。

さらに、過去のトラウマなどが前に進むことを邪魔していることが分かったときには、イメージ療法などを使って、安全感を確立していただいたく方法を取らせていただくことも考えます。
このような一連の流れを、受容と共感を大切にしたクライエント中心療法の態度で行っていきます。

こうした統合的心理療法によって、一つの理論や流派にとらわれず、他のだれのものでもない、その人に合ったオーダーメイドのアプローチが可能になります。

CAFICで用いている主な心理療法

家族療法

生育歴・家庭環境をお聞きしながら、お困りの症状・問題がどのような意味を持っていて、なぜ生じているのかを考えていきます。そして解決法やよりよい生き方、人間関係の築き方をともに探していきます。

認知行動療法

人間はだれでも「考え方のクセ」があると言われています。このクセがときに、不快な気分や良くない行動のもとになっていたりします。その点に注目し、より適応的でストレスの少ない考え方・受け止め方を目指していきます。

芸術療法

カウンセラーの見守りの中でコラージュなどのアートを使った表現をおこなうことで、深層心理に安全にアプローチし、言葉にできなかった思いや心の中を理解していきます。

この芸術療法には癒し効果(カタルシス)があると考えられています。

箱庭療法

ユングという心理学者の考え方を取り入れながら、日本で発展した心理療法です。木箱に専用の砂が入っており、その砂を動かしたり、好きなミニチュアを選んで箱内に配置したりして、心の中にある世界を箱庭の中に表現していきます。

カウンセラーの温かな見守りの中でそのプロセスをおこなうことが、心理的な“癒やし”やカタルシス効果につながると考えられています。言語化が難しいお子さんはもちろん、おとなの方にも有効です。

愛着理論

人は安全に生きるため、守ってくれる愛着対象を求めます。愛着対象が適切に応答し、安全基地(心のよりどころ)となるとき、人は「私は愛されている」「周囲は信頼できる」と思いながら、肯定的に生きていくことができます。
一方、そうした愛着対象に恵まれないと、自己否定的になったり、他者との関係づくりが難しくなったりします。その人の愛着のスタイルを見極めながら、健全な愛着と安全基地をつくることを助けていきます。

ご不明な点は、お気軽に担当カウンセラーまでお尋ねください。

Posted by CAFIC池袋